捨て猫ゼロを願って ポカラで譲渡講習会

和歌山市の奥康子さんは、保護した猫の里親を見つけ、飼育法を教える「譲渡会」を開いている。動物病院と連携をとり、ことし4月から始めた活動により、これまでに100匹以上を里親に譲渡。次回は6日午前10時から、奥さんが経営する同市十三番丁の「フラワーアートポカラ」で開催する。

人間と猫などのペットがより平和的に共存できる社会を目指し、多くの人に関心を持ってもらい、理解が深まることを願って始めた活動。

7年ほど前、けがをして弱っている子猫を見掛けた奥さんは、保護して「チビ」と名付け、自宅で飼うように。以降、もらい手のない猫を引き取るなどして現在は9匹を飼育している。「目の当たりにした弱っている命を救うのは当たり前のこと」と力を込める。

保護した猫を里親へ譲渡するまでに、えさ代や予防接種、不妊手術などを含め1匹につき約2万円がかかるという。

人の手によって捨てられる「不幸な命」を減らすためには、不妊手術が必要と奥さんは強調する。飼育している動物が妊娠した場合、生まれた子どもの飼育にも責任を持つことが必要だが、「捨て猫が多い現状からは、他のペットと比較して、飼い猫が産んだ子猫の命への関心は高くないと感じます」と話す。

保護している猫に優しく声を掛け、世話を続ける奥さんは、譲渡会について「猫の『爪とぎ』で困らない方法や、『先住猫』との付き合い方などの飼い方も具体的に話します。一カ月に一度開いていますので、関心のある方はお越しください」と呼び掛けている。

譲渡予定の猫を抱く奥さん

譲渡予定の猫を抱く奥さん