弥生時代集落の地域性 風土記の丘企画展
和歌山市岩橋の県立紀伊風土記の丘で19日まで、冬期企画展「きのくにの弥生文化―後期社会の変革―」が開かれている。弥生時代の中期から後期を中心に、高地性集落の誕生について考える展示となっている。
弥生時代の遺跡は県内にも多数あるが、その中でも中期と後期のつながりがはっきりしている紀の川の下流(和歌山市)、中流(橋本市、かつらぎ町)と亀の川(海南市)、有田川(有田市)、日高川(御坊市)、南部川(みなべ町)、右会津川(田辺市)の7流域にある遺跡の出土物を展示。
和歌山は平野が少ないため、山で隔てられたそれぞれの集落で地域差が出やすい。紀北地域の集落は、弥生時代中期に平地にできていたのが、後期に入ると山に移動し、高地性集落を形成。後期中ごろになると山を降り、再び平地に集落をつくっている。
同じ高地性集落でも、県内陸部の集落では平地から河岸段丘に移動し、みなべ町、田辺市の集落は山の上に場所を移し、そのまま山上に集落を構えていたという。日高川流域には長く平地で生活してきた集落もあり、紀北と紀南では地域差が大きい。
今回は中期、後期前半、後期中ごろの出土物を分類して階段状に展示。模様がある大きなサイズのものから、薄く熱が伝わりやすいシンプルな形状になる土器の変化や、石器から鉄器が主流になる流れなどが分かりやすくなっている。山で発見された銅鐸も並び、形状の変化とともに高地性集落との関係を考えることができる。缶バッジがもらえる展示クイズも行っている。月曜休館。
問い合わせは同施設(℡073・471・6123)へ。