和工生アイデア2年連続の8強 建築甲子園
地域の暮らしに資する空き家の活用や再生のアイデアを高校生が競い合う第7回「高校生の『建築甲子園』」で、県立和歌山工業高校(和歌山市西浜、田村光穂校長)の建築科2年生8人の作品「縁側から広がる学童保育所」が2年連続のベスト8入賞を果たした。14日、同校で表彰式が行われた。
建築甲子園は日本建築士連合会、都道府県建築士会が主催し、建築教育課程がある高校、工業高校、高等専門学校を対象に実施。毎年「地域のくらし」を基本テーマとしており、ことしはサブテーマを「空き家を活かす」とした。全国的に増加し、社会問題になっている空き家を改修したり、用途を変更したりして活用・再生する作品を募集した。
全国から146点の応募があり、同校の入賞作品は建築科2年乙組の網代隼人君、川合悠真君、栗山太志君、武内厚拓君、中尾瞭允君、西谷凌君、松谷知哉君、水野凌君の8人が制作した。
作品は、明治時代に南方熊楠をはじめ多くの文化人を迎えた「あしべ屋妹背別荘」(和歌山市和歌浦中)をリメークし、学校帰りの子どもたちが学べる場所に再利用するというもの。8人は学校の周辺を調査し、風光明媚(めいび)で山と海に囲まれた同別荘を題材に決定。施設はレストランと図書コーナー、子どもが勉強できる大広間で構成され、外で遊ぶ子どもが減っていることから、縁側を広くして遊べる環境をつくり、窓を多くするなど自然を取り入れた構造になっている。
表彰式では県建築士会の池内茂雄会長が田村校長と生徒それぞれに賞状を手渡し、「これから建築士の資格を取って素晴らしい建築家になって、活躍してもらいたい」と生徒に期待を寄せた。賞状を受け取った川合君は「将来は建築の道に進みたいので、この経験は将来に向けてとても励みになった」と話していた。
また、全国大会には届かなかった同校のもう一つの作品「地域で見守るみんなの家~地域で見守る高齢者と子供のための家~」は県建築士会会長賞を受賞した。