郭家住宅で初の絵画展 貴重な文化財に目を
和歌山市今福の登録有形文化財、郭家(かくけ)住宅で17日から19日まで、この家で生まれ育ち、おととし98歳で亡くなった郭幸子さんの絵画展が開かれる。
幸子さんは生前、長く今福地区婦人会の副会長を務めていたこともあり、婦人会が主催した。
郭家住宅は、明治10年に建てられたコロニアルスタイルの洋風建築。婦人会ではこれまで、地域の歴史を学ぼうと郭家住宅を見学し、副会長の浜路由紀子さん(69)は「貴重な建物を深く知り、感激でした。当時はどんなふうだったのかと、想像が膨らみました」と話す。
幸子さんは生前、和歌山市の日本画家・山東光風氏や、東大阪市の日本美術院同人・長谷川青澄氏に師事。たくさんの作品を残しており、郭家住宅の保存活動に力を入れる建築史家、西山修司さん(67)の提案で、初の絵画展が決まった。
趣のある建物内1階に、花を中心に、風景画など約30点が並ぶ。中には、郭家住宅の外観を描いた、未完成のままの作品もある。
婦人会会長の渡辺紀恵さん(76)は「幸子さんの温かいお人柄が、絵にも表れているよう。この機会に貴重な建物を皆さんに知ってもらいたい。きっと幸子さんも喜んでくださるはず」。西山さんは「これほど貴重な建物は、教育にも活用できる和歌山の宝。個人での維持には限界があり、公共の力で残していくのが望ましい。建物を大切にしていた幸子さんの絵を見てもらいながら、文化財をどう残していくかを考えてもらえたら」と話している。
場所は今福1丁目6の6。駐車場はなく、公共の交通機関の利用を。午前10時~午後4時。問い合わせは西山さん(℡090・1983・1366)。