みさと天文台で教育連携 近大付と初の協定
紀美野町と近畿大学付属和歌山高校・中学校(和歌山市善明寺、山崎宏校長)は、同町のみさと天文台を活用した教育連携を進める「スーパー共同利用制度に関する協定書」を締結した。口径100㌢超の大型望遠鏡を設置している公開天文台が、高校・中学と教育連携をするのは全国で初めて。
同天文台は、平成7年にオープン。肉眼で天の川を見ることができる近畿でも有名な観測地点にあり、県内最大の口径105㌢の大型望遠鏡を所有している。
同校は4年前から、科学部の生徒らが同天文台で8㍉電波望遠鏡を利用した天の川の観測や、地球と太陽の距離の測定などに取り組み、近畿や全国の大会で発表するなどの活動を続けてきた。
協定では、天文台スタッフの派遣▽団体利用の特別対応や施設の貸切▽大型望遠鏡などの特殊設備や高額な観測機器の利用▽共同事業や学校事業への協力▽双方の広報活動――などで連携するとされている。
締結を機にこれまでの両者の取り組みをさらに発展させ、同天文台職員による同校での出張授業や、オープンキャンパスでの体験イベントの実施などを予定している。
協定の調印式は同町役場で行われ、寺本光嘉町長や山崎校長、同天文台の矢動丸泰台長らが出席し、それぞれ協定書に署名した。
寺本町長は「一般公開している天文台は県内唯一。交流できれば町の活性化につながる」と協定を歓迎し、山崎校長は「全国屈指の天文台で天体観測ができるのは、生徒にとって貴重な経験になる」と期待を寄せ、矢動丸台長は「生徒に理科の楽しさを実感してもらえたら」と話していた。