学び、働くのはなぜか 付属中で財務省講演
和歌山大学付属中学校(和歌山市吹上、矢野勝校長)で26日、2年生を対象にしたキャリア授業が開かれ、財務省大臣官房文書課広報室の當間和幸課長補佐が講演し、自身の経験を基に、財務省の仕事や税、進路と働き方などについて語った。
2年生は職業適性検査などを通して自身のキャリア研究を深めており、職場体験に向けた準備も進めている。
當間さんの授業では、生徒はワークシートを使い、「お金」「社会貢献」「得意分野」「社会的地位」「自分の時間」など自分の中で優先したい価値観を考え、順位をつけた。その後、ワークシートを基に似た価値観の人を探し、お互いがつけた順位について話し合った。
生徒の価値観では「社会貢献」の優先度が低い傾向が分かり、當間さんは「社会貢献を下にする人は多い。でも、お金を稼ぐことが社会貢献につながっている」と話し、財務省の仕事を紹介。所得税や法人税として納められた税金が社会貢献に役立てられているとした。
當間さんは自身の仕事についても語った。入省当初は予算を調整する仕事に就き、予算を増やしたり削ったり、批判もある中で、無駄なものや価値観について考えたという。その後、熊本への出向を経て広報室に異動し、若者や子育て世代に財務省の仕事を伝えている。
国の税収と歳出の差が開いていることや、その差を埋める借金が将来的に未来の世代の負担になってくることなど、課題も説明した。
勉強については「生きていくためには、社会に合わせて変化していけることが大事。学ぶということは、社会に出てからも学んでいく基礎をつくることになる。仕事がゴールではなく、常に成長できるかどうかが仕事を選ぶ条件になる」と語った。
講演を聴いた柳川誠人君(13)は「大学には行っておきたいと思った。学歴やキャリアを大切にしたいと思う」、山本陽仁君(13)は「進路の選び方にもいろいろと違いがあると思った」と話し、進路について考えを深めた様子だった。