桐蔭高が最優秀校 全日本高校大学書道展
日本書芸院などが主催し、学生書道のグランプリを決める「第22回全日本高校・大学生書道展」で、和歌山県立桐蔭高校(和歌山市吹上)の2年生、新田拓也君と橋本果奈さん、鈴木里歩さんが書道展大賞を受賞し、書道展賞にも7人が入賞する活躍を見せ、団体賞・高校の部の最優秀校に選ばれた。
同展は全国の高校生と大学生が漢字やかな、篆書などそれぞれ自由に書いた作品を出展し、毎年1万点以上の作品が集まる。入賞した生徒の多い学校が団体賞に選ばれ、ことしは応募総数1万397点(うち高校生7316点)から書道展大賞51点、書道展賞337点、優秀賞573点が選ばれた。
今回入賞した同校生徒の書は、いずれもかな作品。平安時代の書体を使い、和歌などを書く作品で、現代とは異なる多くの種類の文字を書くことを求められるため、読み方や書き方を勉強しないと美しい作品は書けないという。
新田君、橋本さん、鈴木さんは授業の中で作品を制作。鈴木さんは書道教室に通った経験はないが、昨年度の授業の最後に書いた作品が大賞に輝いた。
授業では手本を見ながら書く「臨書」や漢字、硬筆も練習。かな作品は授業の締めくくりに取り組んだ。8枚の料紙に百人一首から選んだ8首を書き、一つの作品にまとめた。
新田君は「授業で習ったかなは難しかった」と振り返るが、清書では文字の太さに気を配り、強弱をつけた文字を書くことができた。
書道部員の活躍も光り、部員で3年生の宇治田理紗さん、江種奈帆子さん、武内未来さん、寺田瑞彩さんが書道展賞に選ばれた。
同部では、段位取得に向けた課題の練習や、大きな筆で文字を書く書道パフォーマンスなどの活動を行っている。今回は百人一首から1首ずつ選び、3カ月ほどの練習を経て出展作品を書いた。自分がどんな字を書いているか分かるよう、読み方や字の形を確認しながら練習を重ねた。余白のバランスや墨の濃淡、作品を見せるための強調するポイントも工夫したという。
授賞式は8月27日、大阪市内のホテルで行われた。鈴木さんは「手本通りに書いた作品が賞をもらえて良かった」、新田君は「取れると思わなかったのでびっくりしている」と笑顔。宇治田さんは「団体は昨年3位だったので、1位になれてうれしい」、江種さんは「昨年は少し悔しかったが、上位入賞の人の作品を見て学んだことで取れた賞だと思う」、武内さんは「みんなが頑張ってくれたので、最後に団体1位という良い思い出ができた」、寺田さんは「賞状をもらえるのは最初で最後かもしれない。大きな成果が得られて良かった」と話していた。