緊迫する北朝鮮の核開発 日米韓の連携を中心に対処
北朝鮮が核実験を行いました。以前より、6回目の核実験がレッドラインといわれていましたが、それを越えたことになります。
そもそも金正恩氏は、イラクやリビアが攻撃された理由は核武装していなかったからであり、体制の維持には核武装が必須と考えて、核開発を進めてきたようです。そのため、核開発を放棄させることは、非常に難しいと想定されていました。それがいよいよ現実となり新しい局面を迎えたということです。
安易な行動は厳に慎まなければなりませんが、放置すれば北朝鮮が増長するだけに、アメリカがどのように対応するのか、また日本はどのように対応するのか、難しい対応をしなければなりません。日米韓の連携は当然として、世界各国の対応を見極めつつ対処していくことが必要であり、まさしく正念場です。
まずは、世界が協調して徹底した経済制裁によって、北朝鮮が核やミサイルの開発を継続できない状況に追い込むことだと考えます。そのためには、中国やロシアなど北朝鮮と関係の深い国々の協調が不可欠です。もしそれが適わないときには、より厳しい次の段階に進むことになることも考えられます。
また、対話路線も非常に重要ですが、核武装を既成事実化すれば核保有国として対話のテーブルに着けるとの論理により、核の拡散を招きかねません。それだけに慎重な対応が求められます。
さらに北朝鮮の核武装化は、東アジアの軍事バランスを大きく崩します。そうした状況になれば、石破氏が指摘するように、再均衡のための議論がさまざまになされることにもなります。
ただ、日本の選択肢は多くないのが現実であり、日米間の連携を中心として対処していくことが必要です。いずれにしろ緊迫した状況であるだけに、政府の方針をしっかりサポートしていきます。
さて、先般の人事により新たに衆議院議院運営委員会の筆頭理事を務めることになりました。そして党の慣例により、国会対策委員会の筆頭副委員長も兼ねます。職務は、本会議の設定をはじめ議会全体の舞台回しです。
そのため、法案などの成立に向けて各委員会が順調に進むように、会期中は月曜日の朝から金曜日の夜まで国会に張り付いて対応することになります。なかなか心身ともにハードな役割ですが、順調に予算案や法案が成立し、国政に支障をきたさないよう頑張ります。ただ残念なことは、時間的に制約を受けることで、地元での活動が大きく制約されることです。
また党憲法改正推進本部では、引き続き役員に留まることとなりました。
昭和22年の施行以来、憲法は改正されていません。70年を超えて憲法改正していない国は世界になく、制定時とは大きく異なる社会の変化に伴い、条項を見直すのは当然です。衆参で発議に必要な3分の2を超える議席をいただいた以上、改憲のための議論は行うべきです。
今夏、自民党では「9条」「緊急事態条項」「一票の格差問題」「教育の無償化」の4項目について、憲法改正推進本部で議論を始めました。結論ありきではなく、私も含め多くの議員が充実した活発な議論を展開しています。今後、党内議論を収斂(しゅうれん)させ、党としての改正案をつくり、その上で各党と協議を行うことになります。
そして発議が可能となれば、国会での手続きを経て発議され、国民投票が行われます。いずれにしろ、丁寧な議論・手続きの上で行われることが重要であり、今後もしっかり取り組んでまいります。