県内は27人に栄誉 秋の危険業務従事者叙勲
警察官や消防職員など危険性の高い業務に従事した功労者に贈られる第29回危険業務従事者叙勲の受章者が11月3日に発令される。県関係の受章者は、県が上申した5人と中央省庁などで選考された22人の計27人(全て男性)。県関係の受章者総数は累計で740人となる。
11月上、中旬に県庁や各省庁で伝達が行われる。
晴れの受章者は次の皆さん。
【瑞宝双光章】
大前修一(70)元県警部、新宮市蓬莱▽亀井和秀(70)元県警部、和歌山市内原▽小松建二(70)元警視正、和歌山市坂田▽瀧本貞雄(69)元和歌山市消防監、同市滝畑▽竹中利雄(70)元警視正、和歌山市田尻▽谷口敏章(67)元有田市消防司令長、同市宮崎町▽西岡佳男(70)元和歌山県警部、和歌山市有本▽本田秀信(71)元大阪府警部、岩出市南大池▽前田美義(71)元和歌山県警部、橋本市高野口町名古曽▽松井正則(69)元和歌山市消防司令長、同市有家▽矢野倍生(70)元警視長、和歌山市関戸▽山高國央(64)元和歌山県伊都消防組合消防監、かつらぎ町東渋田▽山本康雄(70)元県警部、和歌山市汐見町▽若野孝(70)元県警部、和歌山県美浜町和田
【瑞宝単光章】
井上隆男(70)元県警部、和歌山市西浜▽片岡徹(71)元大阪府警部、橋本市三石台▽勝山貢(70)元県警部補、和歌山市船所▽小出憲司(65)元海上保安官、上富田町生馬▽小林修(71)元県警部補、新宮市新宮▽谷正之(70)元県警部、和歌山市東高松▽谷口利治(69)元海南市消防司令、同市且来▽中本哲男(71)元県警部補、和歌山市津秦▽西山博(70)元県警部、和歌山市西浜▽林之男(70)元県警視、和歌山市西浜▽藤岡賢治(71)元大阪府警部、橋本市紀見ヶ丘▽三好年夫(71)元県警部、海南市鳥居▽山本弘(65)元大阪市消防司令長、橋本市高野口町下中
第1号の救急救命士
昭和43年、20歳で消防士となり、和歌山市消防局総務課に配属された。53年に東消防署救急隊員、61年には消防司令補に昇任。救急救命中央研修所に第1期生として入校し、平成4年5月に県内第1号の救急救命士となった。16年には消防司令長に昇任し、21年に消防監、消防総務課長として職務を終えるまでの約40年間、優れた知識と経験を生かし、地域の安全に貢献した。
「レスキューが性に合っていた」と話す瀧本さんは、多くの人の命を救ってきた。昭和56年、市内の民家で仮死状態にあった人に心肺蘇生を施し、一命を取り留めた際には、医師や家族からその冷静沈着な対処を称賛された。アパートで産気づいた女性のもとに急行した際には、へその緒の処置を行い、小さな命の生命力の強さを感じた。
「自分が『助けた』と天狗になってはいけない。その人の生命力をサポートしただけ」と瀧本さん。職務を振り返り「充実していた。現場は大変だが大きなやりがいがある。若い人にはぜひ消防士を目指してほしい」とほほ笑んだ。