女性活躍企業同盟が発足 133社で推進
女性が働きやすい職場環境の整備に積極的な企業・団体で構成する「女性活躍企業同盟」の発足式が24日、和歌山県和歌山市のホテルアバローム紀の国で行われた。県が7月から参加を呼び掛け、県内に本社や拠点を置く133企業・団体が参加。優れた取り組みを進めている企業の表彰や、女性のキャリア形成に関する研修などに取り組む。
発足式には、参加企業や女性団体の関係者ら約450人が出席し、盛大に祝った。参加企業の紹介や女性活躍の支援に取り組むことを約束する宣言などが行われ、前消費者庁長官の板東久美子さんが講演した。
仁坂吉伸知事はあいさつで組織名に「同盟」が入っている理由について「みんなが同じ目線で力を合わせるために同盟が良いと思った」と述べ、「女性が活躍しやすい和歌山にしたい」と意気込みを示した。
参加企業を代表し、相互タクシー㈱(和歌山市松島)の田畑孝芳社長に仁坂知事から参加証明書が授与された後、同盟の活動内容、参加企業間の交流推進に取り組む「幹事」と外部から同盟の取り組みにアドバイスを送る「アドバイザー」が紹介された。幹事を代表し、㈱岩本食品(みなべ町)の岩本恵子専務が、性別に関係なく公正な採用や登用に取り組み、女性が働きやすい職場環境の整備を進めることを宣言した。
続く講演では、板東さんが「働く女性の活躍 待ったなし~活躍推進で変わる企業・社会」と題して、仕事と子育てを両立させた経験や女性の活躍推進を巡る日本の現状などを紹介した。
板東さんは文部科学省で課長職にあった43歳の時、秋田県の副知事に就任することになり、「中学生と高校生の子どもを抱え、不安は大きかった」と振り返った。副知事時代については「それまで教育行政だけをやっていたので、行政を幅広く見ることができ視野が広がった」と話し、「迷ったら、やればできると思って挑戦してほしい。仕事と家庭の両立はマネジメント能力を高める」とアドバイスした。
企業にとって女性の活躍が重要な理由については、2000年代初めに松下電器(当時)の社長として社内改革を進めた中村邦夫さんの持論「業績が不振の企業は人材が画一」を紹介。人材の多様性がイノベーションをもたらすとし、「経営者や管理職が意識を変え、経営戦略として女性の活躍支援を推進するべきだ」と訴えた。