運転すんの会せんの会 障害・高齢者支援
地域社会の生活に欠かせない自動車について、病気・障害を抱える人や高齢者の運転の在り方、乗れなくなった場合の生活などについて考え、支援する活動をしている「運転すんの会せんの会」(鍵野将平代表)は、パンフレット「脳卒中の方の自動車運転~手続きと必要性編~」を作成した。利用法を紹介する勉強会が27日午後7時から、和歌山県和歌山市毛見の琴の浦リハビリテーションセンター3階で開かれる。
同会は作業療法士や言語聴覚士、医師、障害者の職場復帰を支援するジョブコーチら20人で構成。リハビリテーションの立場から自動車運転の再開、継続について取り組みを進めようと昨年3月に発足した。
運転支援が必要な人はさまざまいる中で、まず脳卒中の人を対象にしたパンフレットの作成を企画し、関係施設との情報交換や県警交通センターへの相談などを重ね、「脳卒中の方の自動車運転~手続きと必要性編~」を完成させた。
脳卒中で生じる症状や、外見からは分かりづらい認知機能面の障害を伴う高次脳機能障害による運転への影響などを解説。運転中に操作法や現在地が分からなくなる場合があることや、自覚しにくい症状を紹介し、自動車運転に関する法律、運転を再開する場合の相談機関なども示されている。
鍵野代表(28)によると、脳卒中を患った人がリハビリを終えた後、運転を再開する際の支援には統一された方法がないため、運転を禁止されたり、必要な手続きを取らずに運転して事故を起こしてしまったりする例がみられるという。
鍵野代表は、手足や指先の動きを助ける「自助具」を利用して患者の生活復帰支援に取り組んでいる経験から、運転復帰においても、一人ひとりの実情に合った支援が必要だと感じている。「障害を抱え、高齢になっても安全運転ができるのかという、誰もが直面する不安を軽減できる支援体制をつくるため、リハビリ職の立場から活動していきたい」と話しており、勉強会への参加を呼び掛けている。
問い合わせは鍵野代表(℡073・444・3141=琴の浦リハビリテーションセンター内、メールdriving.sien.wakayama@gmail.com)。