台風被害で運動自粛の候補者も 紀の川市議選
任期満了に伴う和歌山県の紀の川市議選は19日の投開票に向け、懸命の訴えで支持拡大を図っている。最激戦区である桃山地区は現元5人の候補者がしのぎを削り、活動はヒートアップ。その一方で、台風21号の被害に遭った地域では街宣活動を控える候補者も目立ち、得票数への影響を懸念する声も上がっている。
桃山地区の有権者数(11日現在)は、4年前の同時期よりも200人ほど少ない6239人。旧5町でみると最も少ないが、前回投票率は72・59%と最高で、有権者の関心は最も高い。
今回はこの小規模地区から現職4人、元職1人が立候補。元と最上の両地区は2人ずつの候補者が立つ激戦で、前哨戦から地盤票をめぐる争いは激化した。陣営は票を読みあぐね、苦しい戦いを強いられている。
候補者は街宣車で他の4町にも足を運び、ひっきりなしに名前を連呼。現職の引退票や浮動票などの取り込みを図り、票の上積みに奔走している。
元、市場、神田の3地区で半数以上となる3300人、最上地区で829人の有権者がいる。
投票率や前回の当選ラインを参考にしても、地元だけで当選に必要な票を稼ぐのはとうてい難しい。そこで最大の票田となるのが、先月の台風で被害の大きかった調月地区だ。
票の上積みを図りたい陣営だが、地区での活動には配慮が目立つ。実績のあるベテラン現職は街宣活動を最小限に抑えている。「厳しい選挙」と苦笑するも「最後まで頑張りたい」と意気込む。2期目を目指す現職陣営の幹部も「調月では前回のような活動は控えている。どう影響するか分からないが戦い抜きたい」と話す。
一方で、返り咲きを目指す元職は「逃げたくない」との思いから、同地区で選挙戦をスタートした。政策に掲げる「安全安心」などを強調し、支持を訴えている。
14日現在の期日前投票者数は2221人。