少年の社会参加支え14年 半田さんが活動総括

少年たちと共に14年間社会活動に尽力してきた和歌山県警少年補導員連絡協議会の半田德夫会長(70)が本年度末で定年を迎える。7日にはJR和歌山駅前で、最後の務めとなる中学生の犯罪防止の啓発活動に参加。生徒と一緒に駅利用者に呼び掛けた。活動後には、自身の出身校である紀伊中学校の生徒たちから感謝状や似顔絵の贈呈を受けるサプライズがあり、半田会長は「感謝だけです。気持ち良く最後を締めくくれました」と晴れやかな表情を浮かべた。

平成14年、全国の刑法犯の認知件数が戦後最多となる約290万件(県警発表)に上ったことを受け、半田会長ら協議会、県警、市教育委員会は平成16年、犯罪の抑止や子どもの規範意識の高揚を目的に「少年の社会参加活動」を立ち上げた。

活動は現在、防犯への呼び掛けだけでなく、マナーアップや児童虐待防止の啓発、清掃活動や非行少年との交流など多分野に広がり、小中高生らが社会活動に汗を流している。

この日、同協議会の活動を終えた半田会長は「14年いうたらこの子らが生まれた時からやってきたんやな」と感慨深げに振り返った。

立ち上げから東署生活安全課員として二人三脚で活動してきた県警OBの三栖康孝さん(69)は「常に自身が先頭に立って活動の方向性を示してくれた機関車のような人が身を引くのは寂しい半面、大任をねぎらいたい気持ちです。出会いは人生の道しるべ。半田さんに出会えて良かった」と言葉を贈った。

半田会長はこれまでを振り返り「うれしかったのは当時活動した生徒が社会人になっても続けていたと知ったとき。きょう参加した子らが、次はリーダーシップをとって下の子を引っ張り、将来ボランティア精神を持って活躍する人間に育ってくれることを願っています」と期待を寄せた。

生徒から贈呈を受ける半田会長

生徒から贈呈を受ける半田会長