祓殿で発見の石塚遺跡 21日に現地説明会
和歌山県は21日午前11時から、田辺市本宮町の世界遺産・熊野古道中辺路の祓殿王子跡付近で発掘された「祓殿石塚遺跡」の現地説明会を開く。
県によると、同遺跡は昨年秋からの発掘調査で発見。南北約15㍍、東西約4㍍、最大高約1・3㍍の規模で、石とともに江戸時代後半(18~19世紀)の陶磁器や貨幣が出土したことから、この時期に築かれた石塚とみられている。
同種の遺跡は奈良県大淀町にもあり、参詣者が自らの穢(けが)れを清めることや道中の安全などを祈念するために石を積み上げたとされている。
発掘調査の結果、石塚遺跡が築かれる以前の石列や集石遺構も見つかり、宝篋印塔(ほうきょういんとう)の一部や中世の陶器も出土。このことから、石塚遺跡が築かれる以前の中世(鎌倉から室町時代)の段階には何らかの遺跡がこの地に存在したと推定され、江戸時代の人々には神聖な場所という記憶が残っていたため、石塚遺跡がこの地に築かれたと考えられる。
説明者は県世界遺産センターの辻林浩センター長。申し込み不要。駐車場は世界遺産熊野本宮館などを利用し、会場まで徒歩で向かう。問い合わせは県観光振興課(℡073・441・2424)。