「和合の松」復活へ 地元住民ら2世を植樹
和歌山県和歌山市和歌浦中の塩竈(しおがま)神社で21日、2012年に倒れた「和合の松」の2世の苗木が地元住民らによって元の根のそばに植えられた。
子授けや安産の神様として人々の信仰を集めてきた同神社の松は、樹齢200年以上ともいわれる。倒木直後に地元住民が発案し、県の林業試験場(上富田町)で挿し木による苗木が育てられていた。
植樹には後継樹を発案した、和歌の浦万葉薪能の会の代表、松本敬子さんや玉津島保存会のメンバーら約20人が参加。祈祷を済ませた後、背後の鏡山で約40㌢の苗木の根元に代わる代わる砂をかけた。
生育を指導してきた樹木医の岡谷善博さんによると、挿し木による苗木はマツボックリから育てた松以上に、元の和合の松の遺伝子を引き継ぐという。試験場から苗木を引き受け、3年間自宅で育ててきた玉津島保存会の奥津尚宏会長は「太い根をはわすまでには100年ほどかかる壮大なことですが、無事育ってくれれば」、同神社権禰宜の遠北喜美代さんは「若木が末永くそびえ立ち、和歌の浦の景色を見守ってくれるよう願います」と話していた。