安全祈願や餅まき盛大に 生石高原の山開き
和歌山県の紀美野町と有田川町の境界に広がる生石高原で4月29日、観光シーズンの到来を告げる山開きが行われた。安全祈願の神事や景品付きの餅まきなどがあり、約1000人の家族連れらでにぎわった。
神事では、城山神社の下坊利之宮司が祝詞の奏上や清めの塩をまくなどし、参列した生石高原観光協会会長の寺本光嘉紀美野町長や同副会長の中山正隆有田川町長、湯浅警察署や有田川町消防の関係者ら55人が来訪者の安全を祈った。
寺本会長は「関西の軽井沢ともいわれる生石に昨年は約5万人が訪れた。金色に輝くススキの美しさを守り、後世に引き継ぐのが私たちの使命です」とあいさつ。テープカットには頭にススキをあしらった紀美野町のキャラクター「きみちょん」も登場した。
海南高校美里分校の太鼓部は力強い演奏を披露。餅まきには約160㌔の餅が用意され、盛大に振る舞われた。印の付いた餅を拾った人には地元産品が景品として贈られた。
また、弘法大師を祭る山頂のほこらでは、生石地区主催で家内安全などを祈願する護摩たきがあり、僧侶のお勤めが終わると「祝」と赤字で記された餅が振る舞われた。
同地区の杉村繁男さん(84)は「山開きのにぎやかな日に合わせて弘法大師の供養をしています。皆が集まり、手を合わせられることが幸せの証しです」と話していた。