子どもを守る刺股 西脇地区が5校に寄贈
安心して暮らせる地域づくりを目指して活動する和歌山県和歌山市西脇地区の地域安全推進員会(有田勝彦会長)は26日、子どもたちの安全に役立ててもらおうと、地区内の小中学校、幼稚園、保育所5カ所に、不審者の侵入などに対処するための刺股を寄贈した。
刺股は、2~3㍍の柄の先にU字形の金具が付いており、不審者などが現れた場合、相手を壁や地面に押し付けて動きを制止することができる。すでに各施設には1、2本ずつ配置されているが、同推進員会は、対処をより万全にするためには5本程度が必要と考え、各施設に3~4本を贈った。
寄贈のきっかけは12日、西脇幼稚園(岩崎哲園長)で地域住民を招いて開かれた「カレーパーティー」に出席した同地区の杉本慶蔵連合自治会長(80)や赤羽静代さん(71)が、岩崎園長(62)から「子どもが巻き込まれる事件が多い中、刺股1本で暴漢に立ち向かえるかどうか心配だ」との声を耳にしたこと。
「早期に対策が必要」と感じた杉本会長が有田会長に早速連絡をとり、わずか2週間後に同園、西脇保育所、西脇小学校、西脇中学校、八幡台小学校に刺股の寄贈が実現した。
寄贈式は西脇支所(山本康造所長)で行われ、有田会長は「地域の子どもの安全のためならと、推進員総会で全員一致で対応しました」とあいさつ。西脇中の西野孝校長(57)は「防犯用具の支給は大変ありがたい。職員の研修も行い、有効活用したい」と謝辞を述べた。
杉本会長と赤羽さんは「日頃から学校と地域住民の交流を盛んに行っている。今回のように、学校の気掛かりなことも雑談の中で聞ける関係性ができていることが大切と感じた」と話していた。