元気な和歌山へ 県19年度新政策と予算方針
和歌山県は2日、2019年度の新政策と予算編成の方針を発表した。17年3月に策定した「『世界とつながる愛着ある元気な和歌山』~県民みんなが楽しく暮らすために~」を将来像とした長期総合計画に向け、取り組みを力強く加速させる新政策を展開する。
長期総合計画は「ひとを育む」「しごとを創る」「いのちを守る」「くらしやすさを高める」「地域を創る」の5本柱で構築。18年度には少子高齢化を見据えた保育料等無償化の拡充や在宅育児世帯への支援、独自のICT教育など、「未来への駆動力」を生み出す取り組みを推進。19年度は、県民の生産活動の促進や行政サービスの充実に弾みをつけるため、ICTの利活用やIoT・ロボット技術の積極的な導入に向け取り組む。また自然災害への対応や課題解消の新たな施策を展開し、施策体系全体の底上げを図る。
19年度予算編成の方針は、新政策を推進するとともに、中期行財政経営プランを着実に実施するためスクラップアンドビルドや事務事業の見直しを徹底。既存事業は予算枠をマイナス5%とするシーリングを実施し、国の予算編成の動向を踏まえて編成過程で調整する。
仁坂吉伸知事は「ことしは進化をさせていく時期。19年度はさらに深め、大きな波にしていきたい」と話した。
主な新政策は次の通り。
【ひとを育む】
長期欠席児童生徒への学習支援を強化するためICTを活用した個別学習支援や訪問支援員による支援を実施▽スマホやギャンブルの依存症予防教育の充実
【しごとを創る】
IoTの導入を促進するため大学などと連携し、先端技術に関するリカレント教育プログラムを開発・運営▽店舗などへのキャッシュレス決済の導入促進
【いのちを守る】
県防災ナビに、河川水位情報や土砂災害危険度情報をリアルタイムで表示する機能を追加▽上空から被災状況を把握するためドローンの配備を拡充
【くらしやすさを高める】
水道事業の経営基盤強化や耐震化による水道施設強靱(きょうじん)化に向けた市町村の取り組みを支援するため、県水道ビジョンを踏まえ、対策を記した水道基盤強化計画の策定に着手▽県内介護サービス事業所が進める介護ロボットの導入を支援
【地域を創る】
文化財の次世代継承を目的に歴史的建造物や文化遺産のデータベース化を図り、所有者の維持管理を支援するため相談窓口を設置▽スマートフォンのGPS機能とカメラ機能を使って通報できる道路異常等通報システムを導入