4年前の構図再び 知事選は現新一騎打ち

任期満了に伴う知事選は8日、告示された。届け出順に4選を目指す現職の仁坂吉伸氏(68)=無所属、自民・国民民主・公明・社民の各党県組織推薦=と、市民オンブズマンわかやま事務局長で新人の畑中正好氏(66)=無所属、共産党推薦=の2人が立候補し、和歌山県のかじ取り役を決める選挙は、前回と同じ構図となった。両陣営は和歌山市内で出陣式を行い、投票日の25日まで17日間の戦いがスタート。県民がどのような審判を下すのか注目される。

仁坂陣営は小松原通の選挙事務所前で出陣式を行い、約500人(陣営発表)が詰め掛けた。選対本部長を務める中村愼司紀の川市長や、推薦する党県組織所属の国会議員、団体・企業の代表らがマイクを握り「圧倒して当選できるよう熱気あふれる温かい支援を」などと呼び掛けた。

畑中候補は和歌山城公園前で第一声。集まった約90人(陣営発表)を前に、政治団体「ゆたかで住みよい和歌山県をつくる会」の武内正次代表委員、共産党県委員会の前久常任委員の激励を受け、マイクを握った。その後支援者と握手を交わして街宣車に乗り込み、街頭へと繰り出した。

最大の争点はカジノを含む統合型リゾート(IR)誘致の是非で、推進の立場の仁坂候補に対し、畑中候補は強く反対している。

出陣式を終えた両候補は、遊説をスタート。仁坂候補は午前中に県庁や和歌山市役所前で街頭演説し、午後は岩出市、紀の川市、かつらぎ町を巡った。畑中候補は日中、和歌山市内で活動し、スーパーマーケットや主要駅前などの街頭で支持を訴えた。

7日現在の選挙人名簿登録者数は82万3112人。

左から届け出順①現在の役職②経歴③最終学歴④住所

左から届け出順①現在の役職②経歴③最終学歴④住所

仁坂氏第一声「県民と発展し、高みへ」
早朝からこんなに大勢の方々が来てくださり感激している。選挙はこれで4回目。お世話になった方々への思い出がある。今度は恩返しをしないといかんと思い、一生懸命頑張ってきた。まず選挙戦を頑張って皆さんの審判をいただければ、また知事としても頑張りたい。
皆さんに応援していただいた結果、だいぶ発展の条件が整ってきた。高速道路をはじめとするネットワーク、少子化対策、高齢化対策などの制度ができてきた。県民みんなでどんどん発展し、高みへ駆け上がりたい。
きょう来てくださった方々に、アドバイスや要望を頂く中で気付かされた。知事として引っ張ってきた県政は皆さんが教え、育ててくださり、共に作り上げてきた県政である。全力を込めて選挙活動をすることで、作り上げてきた県政が「たいしたことないやないか」と思われないように、本当に頑張りたい。

畑中氏第一声「カジノはつくらせない」
最大の争点はカジノ問題。カジノをつくろうという流れをストップできる最後の選挙。県民を不幸にし地域経済を衰退させるカジノは、百害あって一利もない。和歌山には断固としてつくらない。県民の命と暮らしを最優先する県政に変えましょう。
県民の願いはカジノより地元産業の育成。私は地元産業を育て伸ばし、雇用と消費を増やす。農林水産業、中小企業や商店を応援する。カジノより医療と福祉の充実。病院のベッド数を2割減らす県の計画をストップさせ、安心の医療体制をつくる。保育所や学童保育を充実させ、子育てナンバーワンの県にする。避難が難しい地域の対策を優先し河川整備を急ぐ。私は貧困家庭で育ち、進学を諦め中卒で就職した。こんな私だからこそ県民や地域、生活に困る人に寄り添う県政にする。新たな県政誕生へ、あなたの一票を託してください。