フラメンコで根来伝説 和と洋融合の舞台

和歌山フラメンコ協会(森久美子会長)らによる公演「フラメンコでつづるねごろ伝説『住蛇(じゅうじゃ)が池』~琵琶の演奏とフラメンコを楽しむ~」が2日、和歌山県岩出市荊本の市民総合体育館小ホールで行われ、約450人が和楽器とフラメンコ、能面の舞いが織りなす幻想的な世界に浸った。

市教育委員会主催。第13回市文化祭前夜祭(市生涯学習を考えるつどい)・芸術鑑賞会として行われた同公演。「ねごろ伝説」は同市根来の住持池(住蛇が池)を舞台に、小野小町に恋慕した深草少将の「百夜(ももよ)通い」を題材にした物語で、同協会が取り組む新しい芸術舞台「伝説ふらめんこ舞(まい)舞台」の第一弾として上演された。

舞台では、神戸市の筑前琵琶奏者、川村旭芳さんが物語の進行を務めながら、抑揚のある弾き語りで聴衆を幽玄の世界に導き、カンテ(歌)やギター、パーカッションのミュージシャンによる生演奏に合わせ舞踊が繰り広げられた。

小町役の森さんは、フラメンコ能面舞いで小町の心情を見事に表現し喝采を浴びた。深草少将役は日本では数少ない男性フラメンコ舞踊家の永田健さんが演じ、小町を恋い慕う少将の思いを情熱的に踊り切り、会場に盛大な拍手が鳴り響いた。この他、森久美子フラメンコ舞踊団、「根来の子守唄」を独唱した佐藤恭子さん、和太鼓演奏のHICARICHIさんらが出演した。

市内から公演を見に来ていた朝稲記美恵さんは「琵琶演奏とフラメンコの融合はとても迫力があった。スペインでもフラメンコを鑑賞したことがあるが、本場に引けをとらない素晴らしい公演だった。まさか岩出で見られるとは思わなかった」と感激した様子だった。

静と動、和と洋が融合した舞台

静と動、和と洋が融合した舞台