最後の日曜は都市部で訴え 知事選終盤戦へ

25日投開票の知事選も残り1週間を切った。最後の日曜日を迎えた18日、両陣営は投票率が低い都市部を中心に活動。駅やスーパーなど人通りの多い場所を巡り、街頭演説では熱弁を繰り広げた。集まった有権者一人ひとりとがっちり握手を交わし、一層の支援拡大を呼び掛けた。

立候補しているのは4選を目指す現職・仁坂吉伸候補(68)=無所属、自民、国民民主、公明、社民の各党県組織推薦=と、「市民オンブズマンわかやま」事務局長の新人・畑中正好候補(66)=無所属、共産推薦=の2陣営。

仁坂陣営は和歌山市内で団体などを回り、夕方に岩出市入り。夜は市民総合体育館で個人演説会を開いた。

同市根来のスーパー前で行われた街頭演説には、地元県議や市議らが応援に駆け付けた。選対本部岩出支部長の山本茂博県議は「3期12年の実績を問う選挙。県政発展のために仁坂候補が必要だ」と演説。仁坂候補は「(相手候補は)農業予算を減らしているというが、知事就任時に終了した大規模事業分は落ちたが後は全く減らしていない」と反論。「和歌山は昔から高速道路ネットワークができてなかったが、今や全国平均並みになった。岩出市こそ京奈和自動車道が開通して良かったし、県道泉佐野岩出線がつながっている。ようやく今年度末には備前交差点まで整備できる」と道路整備の実績を説明し「岩出、特に根来は歴史の重みがあり、観光地の素質がある。県も営業努力で支えていく」と誓った。

畑中陣営は午前、和歌山市を巡りJR和歌山駅前や七曲市場などで街頭演説。午後は海南市で活動した。

南海和歌山市駅前で実施した街頭演説には共産党の宮本岳志衆議院議員が駆け付け、「経済対策でカジノをするような県政は結構だ。力を合わせ県政を変える一票をお寄せください」と支持を求めた。

畑中候補は「この選挙の最大の争点はカジノ問題。カジノをつくろうとしている流れを止めることができる最後の選挙」と訴え、「県民の願いはカジノより地元産業の振興、中小企業、商店への応援。農林水産業の予算を増やし、医療福祉を充実させる。県内の病院のベッド数2600床を減らす計画をストップさせて安心できる体制をつくる」と力説。「皆さんの思いを畑中に託してください。県政が変われば、安倍政権に痛打を与え国を変えることにつながる。知事に押し上げてください」と呼び掛けた。

県選挙管理委員会は知事選の告示日翌日の9日から18日まで(10日間)の期日前投票の状況を発表。投票者数は県全体で5万4094人で、2014年の前回知事選の同時期と比べ1・61倍に増加。市町村別でも全てで前回を上回っている。

本紙エリア各市町の状況は次の通り。かっこ内は前回比。

和歌山市2万1151人(2・49倍)▽海南市2556人(1・17倍)▽紀の川市3570人(1・31倍)▽岩出市1833人(1・57倍)▽紀美野町688人(1・48倍)

有権者と握手を交わす(左から)仁坂候補、畑中候補

有権者と握手を交わす(左から)仁坂候補、畑中候補