夜のアロチ楽しく周遊 有志がマップ製作

和歌山県和歌山市の歓楽街「アロチ」を盛り上げようと、同エリアで飲食店を営む有志が、周辺のグルメやバー、ラウンジなどを紹介する「アロチMAP」を1万4000部製作した。県飲食業生活衛生同業組合推薦。ナイトスポットを含む初のマップで「安心・安全で、元気をもらえる店ばかり。地元の人だけでなく観光客にも利用してもらいたい。男女を問わずアロチに足を運んで」と呼び掛けている。

マップは両面オールカラー。A3サイズで、はがき大に折り畳めるので便利。JR和歌山駅から徒歩約10分の新内(あろち)や吉田、北ノ新地などを含む同エリアにはさまざまな店舗がひしめき合い、店選びも大変。これまでアロチに限定したマップはなく、県外の人や初心者にも楽しめるガイドを望む声が多かったという。

店側にとっても、一時期に比べてにぎわいが失われつつある中で、公的機関に頼らず店同士で協力して観光発信しようと、製作費は賛同する店舗が負担した。
マップは表と裏で「グルメ編」「バー・スナック・ラウンジ編」に分け、18店舗を紹介。観光客や出張のビジネスマン、二次会の接待などでもアロチを楽しく安全に周遊してもらおうと、分かりやすい地図とともに店内の写真や特徴、平均予算を掲載している。特にラウンジは価格設定が分かりづらく、一見では入りにくい店も多いが、紹介店舗は明朗会計で安心して楽しめる。

マップ製作発起人の一人で「四季の味ちひろ」の代表、西廣真治さんは「歓楽街がにぎやかでなければ、まちは衰えていく一方。アロチのともしびを消さぬよう、足を運んでもらうきっかけになれば」と願う。

今回のマップ製作は、あくまでエリア活性化の第1弾。アロチには多くの店がありながら、まとまった組織がなく、その必要性を感じていたという。今後は同エリアを盛り上げるべく組合のような組織をつくり、イベントの企画も視野に入れている。

発起人メンバーで「おふくろの味あがた」の代表、縣(あがた)克伸さんは「食と言えば『アロチ』。アロチの飲食店が一つになり、柳通りをイルミネーションで飾るなど、協力して盛り上げていきたい」と見据えている。

マップは掲載店や市内のホテル、JR和歌山駅、市の観光課などに設置。タクシー業界にも協力を呼び掛けるという。

完成したマップを手に、西廣さん㊧と縣さん

完成したマップを手に、西廣さん㊧と縣さん