屋根瓦を年内修繕 台風被害の和歌浦天満宮
ことし秋の台風21号により、建造物に被害を受けた和歌浦天満宮(和歌山県和歌山市和歌浦西)で、楼門と東西廻廊の屋根瓦の修繕工事が始まった。
同神社では今回の台風により、末社や灯籠の火袋が倒れ、楼門の漆喰が剥がれるなどの被害が出た。屋根瓦も一部が崩れ、これまでの長年の風雨による傷みも放置できない状態になり、修繕を決めた。
同神社によると、現在の瓦は1977年にふき替えたもの。今回は傷んだ瓦を補強したり、部分的に取り替えたりするという。
7日に足場を組み始め、10日には10人ほどの職人が手際よく作業。特に重要文化財に指定されている楼門は、文化的な価値を損なわないよう、補強の部材にも配慮し、時代に応じたかたちで補修を進めるという。
総工費約550万円。境内は国名勝「和歌の浦」の構成要素でもあり、国や県からの補助を受けられるが、小板政男宮司は「あくまで補助金。所有者の負担は大きく重荷」ともらす。
工事は今月中旬までに終え、新年を迎えるという。小板宮司は「多くの参拝者を迎える新年に間に合いそうでほっとしている。400年以上にわたって残してくれた歴史的な建造物。大きな代償を払ってでも継承していくのが、われわれの務め」と話している。