孤高の彫刻家偲ぶ 海南で保田春彦の企画展
和歌山県海南市大野中の画廊ビュッフェファイヴ(堀内俊延社長)で24日まで、企画展「保田春彦〈追悼〉展」が開かれている。
金属の抽象彫刻で高い評価を受けた保田の功績を、貴重なブロンズ像や版画にしのぶことができる。
保田は1930年、彫刻家保田龍門の長男として紀の川市に生まれ昨年1月に亡くなった。東京美術学校を卒業後、フランスとイタリアで学び、帰国後は武蔵野美術大学で教えた。発表した作品は、緊張感に富んだ表現が高く評価され、県立近代美術館(和歌山市吹上)には、モニュメント「球を覆う幕舎」などが展示されている。
今回の追悼展は、大作を手掛ける準備として制作したブロンズ製の小作品や、作風に影響を与えた妻・シルビアさんの彫刻も並ぶ、貴重な内容となっている。
さまざまな作家の木版画展も同時開催。会場には若手作家らの鮮やかな創作版画約40点も展示されている。
堀内社長は親交のあった保田について「厳しくも愛情深い先生でした。自伝では文章のうまさも感じられます」と話し、多くの来場を呼び掛けている。
午前10時から午後6時(最終日は5時)まで。水曜休み。
問い合わせは同所(℡073・482・1994)。