JR新型車両お披露目 来月から運行「227系」
JRグループのダイヤ改正に伴い、3月16日からJR和歌山線(和歌山―王寺)に導入される新型車両227系が23日、和歌山駅から橋本駅までを走行した。沿線では祝福のボードや旗、のぼりを手にした住民らが走行する列車に向かって大きく手を振り、和歌山駅では大勢の鉄道ファンらが新型車両を写真に収めていた。
新型車両は同線と桜井線(奈良)に3月16日から順次導入され、ことしの秋には全ての車両が新型に変わる。和歌山線への新型車両の導入は1989年以来30年ぶりで、車体やシートには両県の豊かな自然や歴史を表現する緑色が使われている。
この日はJR西日本和歌山支社と沿線自治体などで構成する「和歌山線活性化検討委員会」がイベント「新型車両に手を振ろう!」を開催。午前10時10分ごろに4両編成の新型車両が和歌山駅1番ホームに姿を見せると、地元住民や鉄道ファンらが車両の近くに駆け寄り、次々と記念撮影。沿線にある学校や企業、報道機関などの関係者約150人を対象とした試乗会では、同支社の伊藤義彦支社長が「旧型車両は平成の時代と共に歩んだ。新型も長く皆さまに愛され続けるように努力していきたい」とあいさつ。県立那賀高校放送部の部員らが車内の様子や線路沿いから車両に手を振る人の様子を動画で撮影した。
沿線では、「おめでとう」と書かれた祝福のボードと旗を手にした住民や青年会議所、観光協会の関係者らが新型車両に手を振った。橋本駅では一般向けの車両見学会も開かれ、シートに座った人らは「シートがクッションみたいで気持ちいい」「中が広くてきれい」「和歌山線でイコカが使えるなんてうれしい」などと笑顔を見せ、駅前で飲食店を営む女性は人でごった返すホームの様子を眺め「橋本駅にこれだけ人が集まるのは秋祭りの時くらいでは。すごい」と感激していた。
同支社によると、新型車両は車内でICカードが使える車載型IC改札機や英語による案内放送、LED照明などを導入した他、窓を大きくすることで車内からの眺めを楽しみやすくなっており、またトイレのバリアフリー化により障害のある人や高齢者が使いやすくなっているという。
京都府大山崎町から訪れた高校3年生の上野裕太さん(18)は「227系が和歌山線に導入されるのは意外でぜひ見たいと思い来ました。形がきれいでぜひまた乗りに来たいです」と話していた。