異次元の強さを見せる 選抜へ智弁の壮行会

23日から兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開かれる第91回選抜高校野球大会に出場する智弁和歌山高校野球部の壮行会が6日、和歌山県和歌山市冬野の同校であり、選手たちが「甲子園で異次元の強さを見せる」と誓い、中学・高校の生徒約1200人から大きな拍手が送られた。

同校は2017年夏から4季連続の甲子園出場となり、昨春は準優勝。当時のレギュラーが4人残る現チームは昨秋の近畿大会で4強入りを果たした。

97年夏に主将として全国制覇を経験し、昨年8月に就任した中谷仁監督(39)は「どうすれば甲子園で優勝できるか考えて練習してきた。選手とアルプスが一丸となり、智弁ファミリーの強さを見せつけましょう」と呼び掛け、プロも注目する好打者の黒川史陽主将は「冬を越え投手は球が速くなり、打者は打球が飛ぶようになった。皆さんに感動を与えられるような異次元のプレーをするので応援よろしくお願いします」と決意を語った。

恒例の監督による選手紹介では、中谷監督がベンチ入り予定選手の長所や冬場の成長ぶりを紹介。昨秋は3人ほどが交代で務めた左翼は硲祐二郎外野手(3年)が最有力候補とし、「安打製造機のような活躍を見せてくれるのでは」と期待。昨秋の公式戦で6割近い打率を残した根来塁外野手(同)については「身長170㌢と体は小さいが打撃はパワフルで勝負強い」と紹介し、6番を打ち一塁を守る佐藤樹内野手(同)のことは「髙嶋前監督が佐藤は声だけ出しとったらええと言ったほどのムードメーカー。この冬一番伸びた」とユーモアを交えてたたえた。

藤田清司校長はチームについて「投手力が上がっており、攻撃と守備は全国でも上位。優勝候補の一角だ」と高く評価。初戦を突破すれば県勢の選抜勝利数が100となり、3勝で平成の学校別甲子園最多勝に届くことなどを挙げた。

花本明県高野連会長は「2年連続で選抜に選ばれたことを誇りに思う。優勝旗を紀州路に持ち帰ってほしい」とエール。生徒を代表し、中高生徒会の藤井壮弥会長が「出場は全校生徒にとって大きな喜び。異次元の応援をするので、中谷監督の胴上げを見せてください」とあいさつした。

壮行会の最後には応援団やブラスバンド、チアリーダーによる応援の披露があり、応援歌「エル・クンバンチェロ」の演奏に合わせ、生徒たちは「フレフレ智弁」などと声を張り上げていた。

壮行会に先立って行われた選抜旗の授与では、大会を主催する毎日新聞社の麻生幸次郎和歌山支局長が藤田校長に旗を手渡し、黒川主将が藤田校長から旗を受け取った。

選抜大会の組み合わせを決める抽選は15日に大阪市内で行われる。

中谷監督から紹介される選手たち

中谷監督から紹介される選手たち