難民支援で看護師 日赤がバングラへ派遣
ミャンマー西部のラカイン州で暴力行為が相次ぎ、隣接するバングラデシュに70万人以上が避難している問題で、日赤和歌山医療センター(和歌山市小松原通)は、難民キャンプでの保健医療支援のため、新たに平田こずえ看護師(46)の派遣を決め、5日に現地に向けて出発した。
同センターは2017年9月から、同国の難民支援活動にあたり、平田さんを含めて延べ15人の医師や看護師、事務管理要員らを現地に派遣。平田さんはこれまで、フィリピンやハイチ、ウガンダなどでコレラの救援や母子保健の支援などに従事した経験があり、今回が6カ国目の派遣となる。
活動は6月下旬までの約3カ月間で、バングラデシュ南部のコックスバザールを拠点に、同国赤新月社の現地スタッフによる診療所の運営管理、感染症対策や自然災害時の救急などにあたるボランティアに対する教育などに従事する。難民キャンプの890世帯が対象となる。
現地では水痘(水疱瘡)の流行がみられる他、雨季やサイクロンの発生期が近づき、土砂災害などへの備えも重要になっているという。
同センターエントランスホールで出発式が行われ、中大輔国際医療救援部長は「赤十字は国境や宗教、人種を超えて人々の健康と尊厳を守るために活動してきた。日赤和歌山の代表として、体に気を付けて頑張ってほしい」と激励。平田さんは「難民は長く先行きが見えない避難生活で疲れており、支援が必要。受け入れているバングラデシュも人口過密状態で大きなストレスを抱えており、配慮が大切になる。和歌山で培った経験を生かし、思いやりのある支援に取り組む」と決意を話した。
平田さんは職員に見送られて出発し、5日夜に羽田空港から現地に向かった。