不易流行スローガンに 県中小同友会が総会
和歌山県中小企業家同友会(堀口寛司代表理事)は19日、和歌山市七番丁のモンティグレ(ダイワロイネットホテル和歌山)で定時総会と記念講演会を開き、会員95人が経営について理解を深め合い、2019年度の活動方針などを採択した。
第1部の総会では、18年度の活動、決算、会計監査の報告があり、19年度の活動方針案、予算案が示され、いずれも承認された。
19年度のスローガンは「不易流行(ふえきりゅうこう)」。松尾芭蕉が示した俳諧の理念で、残し伝えるべきものはきちんと残し、変えるべきものは勇気を持って変えるという意味。
堀口代表理事は「中小企業は地域のインフラだ。地域を支えていくんだという思いでやっていく。新しい時代に新しいビジョンを作成していく」と力を込めてあいさつ。同友会がどうあるべきか具体的な将来像を描き、方向性を示すことが大切とした。
第2部は、中小企業家同友会全国協議会幹事長で㈱ヒューマンライフの中山英敬代表取締役が「社員の自主性が企業の未来を開く~資金ゼロから出発した強靭(きょうじん)な企業づくり~」と題して講演。
中山氏は地元の会社に入社し、しばらくしてテレマーケティング事業の責任者となるが、事業が3年以内に撤退となり、納得できなかったことから、「会社がやらないなら俺がやる」と同社を創業した経緯を話した。
同友会に入会して経営指針書をつくり、「日本一のコールセンター」を掲げて奔走したが、本業の崩壊や40人を超える退職など多くの苦難を経験し、経営の難しさと責任の重さを痛感。再び自己や社員と向き合った日々を熱く語った。
経営においては、経営者と社員の信頼関係が大切とした上で、「したいことをしよう」「伝わったかどうかは伝える側の責任」「違いを認め合う」「自分たちの頭で考える」が大事と力説。「経営者の責任で、社員のせいにしないことが大事。経営者の自己反省から社員の自主性が芽生え、結果が出て、社員の自主性が養われる」と経営観を語った。
企業を支える人材の採用については、「人手不足だから、人がとれないとは言わないでほしい。自社の魅力をつくっていきましょう」と呼び掛けた。