めでたい令和婚139組 和市で改元初日に
「令和」の時代が始まった1日、改元に合わせて人生の門出を迎えようと、この日に婚姻届を出すカップルが各地で相次いだ。和歌山市役所では、祝日ながら本庁舎1階の市民課戸籍窓口を特別に開設し、オリジナル記念品も用意。尾花正啓市長が窓口でカップルたちを祝福し、幸せな雰囲気に包まれた新時代の幕開けとなった。
特別窓口が開設される午前8時半までに10組以上のカップルが訪れ、順番待ちの列を作った。市は休日も戸籍の届け出などを受理しており、この日も、令和に改まった午前0時から特別窓口開設までの間に19組が婚姻届を出した。
特別窓口には「令和元年5月1日」と記した飾りが掲示され、訪れたカップルは尾花市長に婚姻届を手渡すと、喜びと少し恥ずかしさが入り混じったような笑顔を浮かべた。尾花市長は、記念品として、すみれ色と生成り色のニットの令和オリジナルペアコースター(㈱島精機製作所協賛)をカップルにプレゼントし、「おめでとうございます。どうぞお幸せに」と祝福した。
午前11時45分ごろには100組目のカップルが訪れ、市はさらに記念のアルバムを用意し、尾花市長から手渡した。
同市の婚姻届の件数は、2018年度が一日平均4・8件。近年で多かったのは、大安と「いい夫婦の日」が重なった13年11月22日の103件だが、令和への改元の日は、窓口を開設していた午後5時15分までで、従来を大きく上回る139件に達した。
市はさらに、提出用の婚姻届とは別に、記念に持ち帰ることができるオリジナル用紙を用意。ハートマークに囲まれた「令和元年」の文字や“めでたい”鯛の図柄がデザインされ、記念スタンプを押してもらえる。オリジナル用紙の配布は本年末まで行う。
市民課には昨年3月から、婚姻届提出の記念撮影ができるメモリアルフォトブースを設け、ことし4月25日で利用900組を突破する人気となっている。令和初日のこの日は、利用するカップルの列が絶えないほどで、華やかに飾られた日付入りボードと共に、笑顔でカメラに収まっていた。
ことし1月ごろから改元の5月1日に婚姻届を出そうと決めていたという、松尾侑杜さん(25)、遥那さん(27)夫妻は「きょう届けを出して良かった。一生忘れられない一日になりそうです」「お互い気を使わず、仲良く、平凡に幸せな暮らしをしたい」と幸せいっぱい。令和の時代については「令和の和は和歌山の和であり、平和の和でもあるので、新たな良い時代になってほしい」と期待していた。