観覧車のある和歌山港 志磨さん絵画寄贈
和歌山市の画家・志磨隆さん(76)が未来の和歌山港を描いた絵画を市に寄贈し、15日に市役所で寄贈式が行われた。
志磨さんはアトリエVirtual&Realityを創設。2005年に世界一周する客船の絵画教室講師を務め、昨年は個展「世界のクルーズ船を和歌山に」を開催した。
寄贈された絵画では、海のそばに白い観覧車が建ち、電車が港に乗り入れ、港を歩く人々が停泊しているクルーズ船に手を振っている。透明水彩画で、構想から制作まで3カ月ほどで仕上げた。
船上で絵画教室を開いていた際、志磨さんは寄港した世界の港を見てきた。大きな彫刻が船を出迎えるポルトガルの港や地中海の港が印象的だったという。一方、和歌山港は周囲にランドマークとなるような存在がなく、さみしい場所のように感じられたことから、にぎやかな未来の港を描いた。外国の港を参考にタワーを描こうかとも考えたが、分かりやすくて目立つ観覧車にしたという。
尾花正啓市長から感謝状を受け取った志磨さんは「船の中は長くいると退屈で味気なくなる。和歌山港が楽しくておいしい港になっていけば」と話した。
寄贈された作品は今後一般公開を予定している。