和歌山市消防局が優秀賞 ミニブース実習で
全国の消防本部が取り組む予防業務のうち、模範になる優れたものを表彰する消防庁の「第3回予防業務優良事例表彰」で、和歌山市消防局が優秀賞に選ばれた。受賞は和歌山県内の消防局で初めて。ことしは56団体が応募し、4団体が消防庁長官賞、10団体が優秀賞に選ばれた。
受賞したのは、コンパクトなスペースで火災調査の実習ができる「お手軽一畳サイズ 発掘実習ミニブース」という取り組み。現場で出火原因を調べる火災調査業務では、模擬家屋を使った調査実習が行われるが、1軒建てるのに高額な費用がかかり、実施できるスペースがないことなどから実習の実施が難しかった。同局でも県消防学校での実習には参加していたが、局内の隊員全員が参加することができなかった。
そこで考察したのが畳1畳サイズのコンパネに布団や衣類、タンスなどを並べて居間の隅を再現するミニブース。家具は廃材を使い、費用も抑えた。昨年2月に実施したミニブースを使った実習では、多くの若手職員が参加することができた。
20日には同局予防課予防調査班の5人が尾花正啓市長に受賞を報告。小橋一成班長(46)は「受賞を機に火災調査技術の向上に向けてますますまい進し、市民の安全安心の確保に向けて取り組みたい」と述べた。
その後、火災調査研修のデモンストレーションが行われ、IHクッキングヒーターを使ったてんぷら油火災の調査について講習が行われた。