愛の和歌山城描く 元ちゃらんぽらん大西さん
元人気漫才コンビ「ちゃらんぽらん」のメンバーで、画家として活動する太陽こと大西幸仁(こうじん)さん(58)=岡山県矢掛町=が26日、和歌山県和歌山市を訪れ、西の丸広場で和歌山城天守閣を描き、完成した作品「愛の光に満ちあふれた和歌山城」を市に寄贈した。
大西さんは5歳から絵を描き始め、京都精華大学で油絵を専攻し、卒業。その後、「ちゅーとはんぱやなぁ」のギャグで一世を風靡(ふうび)した人気漫才師となったが、2008年に芸能界を引退し、画業に専念。太陽をモチーフにした明るく、力強い画風で知られている。
今回の和歌山城の作品は、全国141カ所の城を描こうと5月30日にスタートした「城プロジェクト」の一環。城は、築いた人々や侍たちが命を懸けた「大和魂」の核となるものだとし、故郷の兵庫県尼崎市の尼崎城を皮切りに、姫路城や大阪城などを描き、和歌山城が6番目となった。
同広場の芝生に横3㍍、縦1・5㍍のキャンバスを広げ、中央に輝く太陽と天守閣を描いた。筆やスプレー、手で絵の具を大胆に塗っていき、太陽から放射状に延びる線や点は、噴出するような和歌山の自然のエネルギーだとし、赤は梅、黄色はかんきつ類、青は海を表現した。
大西さんが和歌山城を描くのは10年ぶり。画家となって間もない頃に作品を和歌山市内の経営者が購入し、支援してくれた思い出を紹介し、「和歌山は人が温かく愛を感じる。和歌山城は市民の皆の寄付で再建された愛の城であり、人々が疲れたときに訪れて、復活できる場所」と作品に込めた思いを話した。
尾花正啓市長も制作現場を訪れ、「メッセージにパワーをもらった。やはり和歌山はよみがえりの地だ」と喜んだ。
寄贈を受けた市は、今後市民や観光客が作品を見られる展示場所を検討する。