戦争の悲惨さ語り継ぐ 和歌山大空襲74年目慰霊
和歌山大空襲から74年目を迎えた9日、犠牲者を悼む和歌山市戦災死者追悼法要が西汀丁の汀公園で行われた。戦災遺族会(田中誠三理事長)をはじめ140人以上が参列し、戦没者を弔い平和への思いを新たにした。
和歌山市は太平洋戦争中、米軍から十数回の空襲を受け、約1400人が犠牲になっている。1945年7月9日の大空襲では市内の中心部が焼け野原となり、人々が避難してきた汀公園では火災旋風などで748人が亡くなった。
田中理事長(83)は「長い年月がたっても、空襲の地獄のような光景がよみがえる。平和は戦争で亡くなった人の尊い犠牲の上に成り立っている。戦争の教訓を語り継ぐことが遺族に課せられた使命であると改めて誓う」と慰霊の言葉を述べた。
市立伏虎義務教育学校、市立八幡台小学校、和歌山大学付属中学校の生徒が手作りの千羽鶴を奉納。同大付属小学校の6年生4人は「砂や人が風で飛ばされて遺体がそこら中にある焼け野原の話を聞いて、言葉が出なかった。戦争で生活や命が奪われたことを悲しく思う。私たちは忘れず、大人になったら子どもに伝えていかなくてはならない」と平和への願いを朗読した。
最後に参列者が焼香し、公園の慰霊碑に向けて犠牲者の冥福を祈った。