治療推進へ膵がんセンターを新設 1日医大
和歌山県立医科大学付属病院は28日、膵(すい)がんの治療や研究を充実させるため、「膵がんセンター」を9月1日に開設すると発表した。山上裕機病院長は「膵がんの克服が最終目標。患者や家族の悩みを受け止めるホットラインを作りたい」と話した。
膵がんは進行性のものが多く、他のがんに比べて特に難治とされる。同院によると、2017年の調査では、人口10万人あたりの膵がんによる死亡者の割合は県内が8・2%と全国平均の6・2%を大きく上回り、北海道、富山に次いでワースト3位だった。
膵がん専門のセンターは国内には少ない。新設するセンターでは、超音波内視鏡検査による早期診断など専門的で高度な医療技術を提供する他、患者や家族が膵がんについて気軽に相談できるホットラインの設置、県内外の病院との連携も行う。治療にあたる各部門の連携を強化し、相談窓口の一本化による迅速な対応を目指す。
山上病院長と同院消化器内科の北野雅之教授、消化器外科の川井学准教授が記者会見し、山上病院長は「センター設立は膵がんの第一線を担う覚悟の表れ。センターの設立で日本全体の膵がん治療の底上げになるのではないかと思う」と話した。