地方が幸せになる道路を 紀淡海峡学習会

和歌山県和歌山市加太と兵庫県の淡路島を結ぶ「紀淡連絡道路」の実現を目指す「紀淡海峡勉強会」が8月28日、2004年以来15年ぶりに和歌山市中のラヴィーナ和歌山で開かれ、約40人が参加した。浅井建設㈱の浅井瑛介会長が講演し、紀淡連絡道路が加太やコスモパークの活路につながることや、東京一極集中を解消し地方が立ち上がるために地方まで道を造る大切さを話した。

紀淡海峡の連絡道路計画は1992年に大阪、兵庫、和歌山の市町村による紀淡連絡道路実現期成同盟会が結成されると、推進団体や支援団体が数多く発足。実現に向けた運動が盛り上がっていたが、景気後退などにより運動は下火に。しかし門博文衆院議員が連絡道路の運動推進を表明したことや京奈和自動車道、第二阪和道路の開通と環境が変化したことから再び運動が盛り上がり始めている。勉強会は1989年から32回にわたり大学教授や建設事業者らを講師に迎えて学習会を開催してきた。

紀淡連絡道路は和歌山市の加太から兵庫県洲本市(淡路島)を結ぶ約40㌔の幹線道路で、実現すれば紀淡海峡大橋は最大支間長約2040㍍の世界最長のつり橋になる。また、神戸淡路鳴門自動車道とともに阪神高速湾岸線、阪和自動車道、新名神高速道路などとつながり三つの環状道路ができ、観光の多様化や貨物増大などのメリットが見込まれる。

浅井会長は紀淡海峡連絡道路が京奈和自動車道とつながった場合の経済効果が和歌山にとって良いものになるのか疑問を投げ掛け、「(道路を)もう少し西にずらせば加太があり、放置されているコスモパークがある。どうにかするには紀淡海峡が大事になる」と述べた。道路と地方の活性化については「どんな道も橋もしっかりしたものが大事。地方の端まで幸せになれる道路が必要」と語った。

紀淡海峡大橋への思いを語る浅井会長

紀淡海峡大橋への思いを語る浅井会長