人口減少や衆院解散 県出身国会議員が討論
和歌山県出身、選出などの国会議員7人が和歌山の振興策や政局の展望などを語り合う「和歌山県出身国会議員座談会」が4日、和歌山市湊本町の和歌山放送であった。人口減少や先端技術などについて議論。衆院解散についても話題が及んだ。
出席したのは二階俊博(自民)、石田真敏(同)、門博文(同)、浮島智子(公明)、岸本周平(国民民主)の5衆院議員と世耕弘成(自民)、鶴保庸介(同)の2参院議員。
和歌山の人口減少対策について、世耕議員は「自治体による公助や住民同士による共助が縮んでいく。高齢者ばかりの集落では、ドローンで荷物を届けたり遠隔診療を積極的に認めたりするなど、テクノロジーで埋めることが重要。地域の魅力を発掘して対外的に発信することも大切だ」と訴えた。
石田議員は企業や大学、政府機関などの地方移転が必要と強調。政府機関の一部移転について「一時は盛り上がったが、今は火が消えている」とし、企業の移転については「首都直下地震や富士山の噴火などが起きた際に被害を最小限に抑えるには、業務を分散しておくことが必要。移転すれば地域にとって大きな雇用となる」と訴えた。
昨年は紀伊半島一周高速道路の事業化や串本町への小型民間ロケット発射場の誘致が決定。二階議員は高速道路の延伸について「私は県会議員選に出た時から言っていたが、最初はみんなびっくりしていた。国土の均衡ある発展のため(道路整備を)強く主張していかなければいけない」と話し、鶴保議員はロケット発射場の建設について「ある程度遅れていた和歌山が最先端の地域になる可能性を秘めている。生かすも殺すも県民の意識」と期待を寄せた。
観光の振興についての発言も相次いだ。門議員は「地方にいろんな魅力があるのに過小評価している。名物をもっとつくって観光に来てくれた人に買ってもらい、和歌山の魅力を知っていただくことが必要では」と話し、浮島議員は「住民が一体となって地域を全国や世界に発信する必要があるのでは。子どもたちには教科書を通じて地元の日本遺産を知ってほしい」と語った。
政局の展望を巡っては、司会者から衆議院の早期解散の可能性を問われた二階議員が「今すぐ解散しなければいけない必要は何もない。国会に課されている課題を着実にこなしていくことが、国民の皆さんが求めていることではないか」と否定的な考えを示した。立憲民主党と国民民主党が合流協議を進めていることについて岸本議員は「野党が弱すぎるのでかたまりを大きくすることは大事だが、エネルギー問題など基本的な政策が違うのに一緒になろうというのは難しい。急ぐ必要はないと思う」と話した。