大般若経で無病息災 紀三井寺で転読会
ことし最初の観音菩薩の縁日「初観音」が18日、和歌山県和歌山市の紀三井寺(前田泰道貫主)であり、経典を読み上げる「大般若経転読会」が行われた。
大般若経は『西遊記』で知られる三蔵法師・玄奘が翻訳した全600巻の経典。経巻を繰り落とす風に当たるだけでも功徳があるとされる。僧侶が「だーいはんにゃ…」と題目を大きな声で唱えながら、経巻を繰り落とした。
僧侶が参拝者の肩に大般若経をあてる「お加持」も行われ、参拝者は肩をたたかれながら手を合わせて無病息災を祈願した。
市内大新地区から訪れた女性(70)は「毎年健康祈願に来ています。お加持で肩をたたいてもらったので、すっきりしました」と話していた。
法会の後は本堂前で新しく造られた「祈祷大道場」の看板の除幕式が行われた。同寺は徳川家の祈祷所だったことから、本堂がお墨付きをもらっており、墨書きの看板が掲げられていたが、字が薄くなり、木の板も劣化してきたため片付けられていた。新しい看板の字は県書道協会会長の小島健堂さんが書き、浮き彫りの「祈祷大道場」の文字が金色に輝く。
幕が外され、真新しい看板が見えるとお加持を終えた参拝者らがカメラを構えて撮影していた。