地元で働く人を紹介 『さくらノート和歌山』創刊

印刷会社の㈱ウイング(和歌山県和歌山市梶取、松下忠代表取締役)は、和歌山で働く人々を取り上げた郷土愛的キャリア教育本『さくらノート和歌山』を創刊した。編集人の宇治田健志さん(37)は「地元で働くということを選択肢に加えてもらい、和歌山を好きになってもらえたら」と話している。

『さくらノート』は石川県で生まれ、石川、富山、北海道で発行。同社ではこれまでに歴史と文化を紹介する『ほうぼわかやま』、高校生の就職応援ブック『COURSE(コース)』を発行しており、新たに地域のためのメディアを発行したいと石川県の発行元に相談。地元色豊かな和歌山版が誕生した。

紹介しているのは、中学、高校時代を和歌山で過ごし、和歌山で働く医師や警察官、接着剤の製造や建設現場の監督など15の職業で働く人。その仕事に就いた理由ややりがい、学生時代のエピソードを取り上げている。地元の人という身近な存在を通して、高校から県外のへの進学率が高い和歌山の学生に、地元に戻って働くという選択肢を増やしてもらい、学校での学びが社会生活に結び付くことを知ってもらいたいという。また、郷土史料として、万葉集に詠まれた和歌山の地を紹介している。

本は市内の中学、高校37校に配布。今後は年2回の発刊を予定している。一部の中学校ではさくらノートを使ったキャリア教育の授業も検討されている。学校で教材として活用するとともに、生徒が家族と読んで親子で一緒に仕事について考えてもらいたいとしている。

さくらノートに関する問い合わせは同社(℡073・453・5700)。

『さくらノート』を手に松下代表(後列右)と編集人の宇治田さん(後列左から2人目)と編集チームの皆さん(㈱ウイング提供)

『さくらノート』を手に松下代表(後列右)と編集人の宇治田さん(後列左から2人目)と編集チームの皆さん(㈱ウイング提供)