5G遠隔医療や防災・減災に注力 税制改正や予算案の年度内成立を
通常国会が開会しました。さまざまな問題が指摘されていますが、まずは税制改正案と予算案が年度内に成立することが何より大切です。
税制については地方の財源確保とともに、Society5.0を実現する基幹インフラである5G投資促進税制に注力しました。日本の社会、経済、産業を大きく変えていくと思います。
予算案では防災・減災、そしてSociety5.0実現のためのさまざまな施策が盛り込まれました。新しい時代に向かって官民あげた積極的な取り組みが必要です。
年明けに総務省5G総合実証試験で、遠隔医療のため和医大と5Gで結ばれた日高川町の国保川上診療所に行き、新たな動きを視察しました。
まずは患者の家まで行き、車内に搭載したさまざまな検査機器を5Gで和医大と結んで遠隔で診察できる「ハイパードクターカー」です。開発が進み現在の救急車を高度化する程度で活用できれば、効果は大きいと思います。
次に、過疎地の診療所では通常の診療は行えても、専門性の高い診察は難しいものです。しかし、4K8Kカメラによる鮮明な画像を遠隔地でも確認できるようになり、変色など症状を視認する皮膚科やエコー画像を確認する循環器科、産婦人科など、専門医による遠隔医療が可能になります。たとえば、各地の二次、三次病院と域内の診療所を5Gで結び日時を決めて専門医が診察すれば、過疎地の各診療所で効率よく専門医の診察を受けられます。
こうした新たな地域医療が一刻も早く現実化するよう、しっかり取り組んでまいります。
また防災・減災について、12月初旬にNHKが「体感首都直下地震ウイーク」として首都直下型地震を取り上げました。批判が出る可能性にもかかわらず、あえて真正面から取り組んだ姿勢は賞賛に値します。
このような取り組みが、政府、企業、住民それぞれの立場で一人一人がこの災害リスクに向き合い、どのように被害を軽減するかを考える警鐘となり、早急な対応が促されるきっかけになってほしいものです。
大臣在任中、主要経済団体に出向き、巨大災害リスク、長時間通勤など従業員のストレス、さらに少子化や待機児童などを軽減する対策として、企業の業務の地方分散によって東京一極集中を是正いただくようお願いしました。
避けて通れない大災害だけに、被害の最小化はきわめて喫緊の課題です。
そのような中、21日に開かれた恒例のダボス会議で資本主義の再定義が主題となり、従来の株主至上主義の見直しをグローバルな場で再確認する機会になったと報じられました。日本流の買い手・売り手・世間の「三方良し」と同様の広く利害関係者が満足する資本主義へと、潮目が変わりつつあるようです。
この意識の変化を受けて、政府機関、企業、大学などの地方展開を促進し、災害リスクの軽減と地方の再生にしっかり取り組んでまいります。一刻の猶予もありません。