和歌祭400年に向け 実行委・奉賛会が発足

紀州東照宮(和歌山県和歌山市和歌浦西、西川秀紀宮司)が2021年に創建400年、そして例祭「和歌祭」が22年に400年を迎えるにあたり、「和歌祭四百式年大祭実行委員会」と奉賛会が発足した。9日に東照宮会館で発足式が行われ、約150人が記念の年に向けて士気を高めた。

和歌祭は1622年、紀州徳川家初代の徳川頼宣が父・家康を同神社に祭り、平和を祈願して始まった。勇壮な神輿おろしと獅子舞やみこ、行商人姿の連尺などさまざまな姿の団体「株」が練り歩く渡御行列を行う。戦後は「商工まつり」の一環として行われ、1984年の商工まつりの終了に伴い途絶えたが、2000年代に復活。現在は毎年5月に東照宮から和歌浦漁港、片男波などを練り歩いている。

実行委員会は渡御行列に参加している住民ら約60人で組織。式典では鏡開きで発足を祝い、渡御行列の一つである唐船・御船歌が披露された。拝殿で委員会と奉賛会発足を報告する奉告祭も行い、参列者が玉串を納め、みこが舞を奉納した。

発足式で中山勝裕実行委員長は、式年大祭では商工まつりで行われていた和歌浦から和歌山城への渡御行列を再現する構想を語り、「江戸時代から町の人々によって支え守られてきた祭り。次世代に続けられる体制をつくり持続可能な祭りにしていきたいと思う」とあいさつ。奉賛会の島正博会長は「四百年祭が素晴らしい祭りになるよう、皆さんの力が必要。東照宮と和歌祭を盛り上げてもらいたい」と述べた。

紀州東照宮代表で禰宜の西川秀大さんは「500年の式年大祭があれば『四百年祭をしてくれたから今がある』と思ってもらえるような祭りと組織にしていきたい」と語った。

委員会では今後定期的に会議を開き、和歌浦―和歌山城ルート実現に向けた調整やプレイベントの開催などを検討していく。

渡御行列の一つ御船歌も披露された

渡御行列の一つ御船歌も披露された