紀の川市が5年連続V 県広報コンクール

和歌山県紀の川市の「広報紀の川1月号」がこのほど、第17回県広報コンクール(市部応募9点)広報紙の部で5年連続の1位に選ばれた。主に取材・編集などを手掛けた秘書広報課広報広聴班の山本真緒副主査(32)は「うれしい気持ちでいっぱい。いかに市民に分かりやすく情報を伝えるかを意識して取り組んだ結果だと思う」と笑顔で話している。表彰式は25日、橋本市保健福祉センターで行われ、全国コンクールにも応募される。

県広報協会が広報技術の向上を目的に実施。県内の各市町村が2019年1月から12月の間に発行・発表した広報紙や掲載写真、映像作品の中から、任意の月号、映像作品を応募するというもの。企画や文章、デザイン、写真、視認性の5項目で審査が行われた。

同号は「農業の無限の可能性6次産業化にみる新たなカタチ」を特集テーマに医療や福祉、介護、暮らしの情報などを掲載している。

表紙には農業交流のインターンシップで同市に来たドイツ出身のニコラス・カラシさんがレモンを収穫する写真を採用。紙面は全国的に若い世代が農業への関心を高め、新規就農者は増加する一方で、農業就業人口は減少傾向。その解決策として注目される「6次産業化」に着目した。

粉河の「観音山フルーツガーデン」や全国各地で活動する6次産業化プランナー、柿やハッサクなどの栽培を行う「まつばら農園」など、それぞれの視点からの6次産業化への思いや取り組み、農業の可能性などを約20回の取材を通じて仕上げた。

「市報は一生懸命に取り組む人を一人でも多く取り上げ、それを見た市民の皆さんにもっと頑張ろうと思ってもらえるように伝えるものだと思う」と山本副主査。

取材を重ねる中で取材先の人の取り組む思いの強さを感じ、それをくみ取っていかに伝えるかを考え、悩むこともあったという。天候や季節、果物の状態によって写真の見栄えが変わってしまうため、何度も足を運んでは撮り直しを繰り返すこともあった。そんな時は取材先の人の温かさにふれて一息。「ちょっと休憩して食べていきなよ」と声を掛けてくれ、気持ちが軽くなったそう。「紀の川市は良い意味で田舎らしさ、近所のつながりのようなものを大事にしているので温かい人が多いんです」とほほ笑む。

岩橋千明班長(48)は「人とまちをつなぐ広報紀の川がモットー。市民の方々にそれを感じてもらえるような広報紙をこれからも作っていきたい」と話す。

山本副主査も「一人でも多くの人に手に取ってもらい紀の川市の魅力をもっと感じてもらえるような紙面にしていきたい」と話している。

また、同市は一枚写真の部(応募21点)で「広報紀の川12月号」が2位、映像の部(応募3点)で「紀の川市シティプロモーションPR動画①フルーティな生活編②フルーツ会議編」が1位に選ばれた。

受賞を喜ぶ山本副主査㊧と岩橋班長

受賞を喜ぶ山本副主査㊧と岩橋班長