21年度に一部開通へ 冷水国道42号の拡幅工事

朝夕の交通渋滞が常態化し、拡幅工事を進めている国道42号の和歌山県海南市冷水―藤白間について、国土交通省は6日、阪和自動車道海南インターチェンジ(IC)側の0・7㌔が2021年度に4車線で開通し、部分供用される見通しとなったと発表した。同国道のバイパスで、拡幅箇所に接続する有田海南道路(冷水―有田市野)のうち、有田川を渡河する0・2㌔も22年度に開通する見込み。

拡幅事業は、全長1・1㌔の2車線区間で進めており、07年度に事業化し、11年度に着工した。藤白トンネルの撤去工事が完了することにより、21年度に部分供用できる見通しとなった。

現状は、海南ICと国道42号の合流部や冷水交差点付近で朝夕に渋滞が発生し、朝の積み込みに訪れる輸送業者の多くは、阪和道の同IC付近の退避スペースで時間調整を行っている。拡幅による渋滞緩和、トンネルがなくなることによる走行性の向上などにより、待機時間もなくなり、交通がスムーズになることが期待される。

有田海南道路は全長9・4㌔で、08年度に事業化し、15年度に着工した。

有田市では24年4月に市内4中学校の統合が計画され、有田川を渡る橋が通学路となるが、現在は道幅が狭く、歩行者と自転車が混在する危険な状態。22年度に0・2㌔の1号橋(仮称)が開通すれば、広い歩行空間が確保され、通学時の安全性が向上するとみられる。

また、二階俊博自民党幹事長(衆議院和歌山3区)の事務所によると、阪和道の印南―南紀田辺間(17㌔)の4車線化について、印南サービスエリア(SA)―みなべIC間(6・5㌔)を国土交通省の社会資本整備審議会道路分科会で審議することが決まり、順調に行けば今月末に有料道路事業が許可される見通しであることが分かった。事業費は約480億円。

2021年度に部分供用の見通しとなった国道42号の拡幅工事(海南市冷水)