県が外出自粛など呼び掛け 緊急事態宣言で
政府が改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき緊急事態宣言を発令したことを受け、和歌山県は8日午前、和歌山市の県庁南別館で対策本部会議を開き、対応を確認した。仁坂吉伸知事は会議終了後に記者会見し、「県は緊急事態宣言の対象区域ではないが、3月30日あたりから県内でも感染のテンポが変わってきた。油断できない」と述べ、県民に対して不要不急の外出を自粛することなどを呼び掛けた。
会議には県の幹部ら職員約50人が出席。宣言発令を受けた県の対応の確認や県内事業者の現状報告などを行った。
県内経済の現状について大山茂商工観光労働部長は「総じて非常に厳しい。特に飲食や宿泊、貸し切りバスなどの事業者は売り上げが大きく減っている」と話し、政府系金融機関や和歌山労働局の窓口などに多くの相談が寄せられていることを報告した。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、県が運営する施設を一部休業することも決定。海南市の県立自然博物館は9日から5月6日まで閉館し、和歌山市の県立図書館は閲覧サービスを休止し、貸し出しや返却のみとする。
仁坂知事は県民の外出について、「今必要かどうかよく考え、今ではなくてよいものは自粛していただきたい」とし、緊急事態宣言の対象区域、特に大都市部や繁華街へ行くことはできるだけ控えるよう呼び掛けた。
事業者には、時差出勤やテレワークなどの制度がある場合は積極的に活用するよう求めた。県では職員約100人が大阪府内から通勤し、岸和田市以北在住の職員は、可能な限り在宅勤務に切り替えるとしている。
首都圏や大阪府などから県内に帰ってきた人には2週間の自宅待機を要請し、県庁に帰国者・帰省者用の連絡窓口を設けるとし、登録するよう求めた。
また、7日に感染が確認された50代男性教諭について、勤務先は紀の川市立打田中学校で、同僚や家族からも陽性が確認されたことが明らかにされた。
緊急事態宣言に関する県の問い合わせ窓口は「℡073・431・2684、431・5726、431・5751」。月~金曜の午前9時~午後5時45分(祝日除く)。