県内は30人に栄誉 危険業務従事者叙勲

警察官や消防職員など危険性の高い業務に従事した功労者に贈られる第34回危険業務従事者叙勲の受章者が29日に発令される。和歌山県関係の受章者は、県が上申した6人と中央省庁などで選考された24人の計30人(全て男性)。県関係の受章者総数は累計で885人(うち女性9人)となる。5月中旬に県庁や各省庁で伝達が行われる。

受章者は次の皆さん(年齢は発令時点)。

【瑞宝双光章】
井原浩海(61)元3等陸佐、紀の川市打田▽上門憲男(72)元県警部、田辺市新万▽岡本秋久(64)元新宮市消防司令長、同市新宮▽木下勇次(72)元県警部、和歌山市田尻▽小藪清史(72)元県警部、和歌山市梶取▽塩﨑文二(65)元那智勝浦町消防司令長、同町朝日▽武田十四夫(72)元県警視、和歌山市小松原▽中西啓二(61)元3等海佐、橋本市紀ノ光台▽中原博司(72)元県警視、兵庫県神戸市東灘区住吉東町▽西本好行(72)元県警部、有田川町徳田▽根来茂廣(68)元和歌山市消防司令長、同市今福▽東文雄(72)元警視正、紀の川市貴志川町長山▽古谷修(72)元警視正、白浜町▽松下博和(72)元県警部、和歌山市鳴神▽間所直愛(72)元県警部、那智勝浦町下里▽村畑壽雄(72)元警視正、和歌山市府中▽森義行(72)元県警部、海南市下津町小原▽湯川敏行(72)元警視正、和歌山市吐前▽和気行義(72)元県警部、紀の川市貴志川町国主▽和田幸久(72)元県警部、串本町潮岬

【瑞宝単光章】
有本学(72)元県警部、日高川町小熊▽井上豊(70)元海南市消防司令、紀美野町東野▽岡林秀正(68)元大阪市消防司令、紀の川市杉原▽栗山修(68)元和歌山市消防司令長、同市栗栖▽伊達聖(72)元大阪府警部補、白浜町堅田▽堂浦勝則(70)元橋本市消防司令、同市柏原▽松井正雄(72)元県警部、和歌山市秋葉町▽水口明仁(63)元法務事務官、有田川町庄▽山本祥文(72)元県警部、那智勝浦町朝日▽和田安永(72)元大阪府警部補、和歌山市松江西

一所懸命の警察人生

瑞双 元警視正 湯川敏行さん(72)~和歌山市吐前~

「和歌山の安全安心を守りたい」。1967年、県立星林高校を卒業後、和歌山東署に配属。憧れだった警察官の第一歩を踏み出した。

主に防犯や少年非行、青少年健全育成などの地域、生活安全業務に尽力。県警生活安全企画課少年対策室調査官の時には、いじめで親や先生に相談できない子どもに寄り添いたいと「いじめ110番」を開設した。

座右の銘は「一所懸命」。どんな状況でも目の前の仕事に真剣に取り組むことで道は開けると信じ続けた。警察業務は力を合わせなければならない。かつらぎ、御坊、和歌山北署長時代には、署員が働きやすいように率先して声掛けを行うなど環境づくりに努めた。

警察官人生を振り返り「本当に幸せ者。生まれ変わっても警察官になりたい」と笑顔。「警察官は一人ひとりが自覚と高い意識を持つことが大事。県民の安全安心を第一に考えて頼りにされる警察官であってほしい」と後輩を激励する。

受章には「ありがたい気持ちでいっぱい。42年間頑張ったご褒美かな」と喜ぶ。「ここまでこられたのは支えてくれた周囲のおかげ。同僚や部下、妻には感謝の気持ちでいっぱいです」とはにかんだ。

現在は警察官の経験を生かし警備会社で働く。ウオーキングや写真、読書を趣味に充実した日々を過ごしている。

瑞双 元警視正 湯川敏行さん(72)~和歌山市吐前~