子どもと本の出会いに期待 海南ノビノス④
学校司書の山口奈穂子さん、髙垣綾香さん、浦由美子さん、丹羽加枝さんは和歌山県海南市内の小中高校20校の図書室を巡回している。丹羽さんによれば、学校の図書室は休憩時間に開けていることが多く、リピーターが多いのも特徴。各教室の学級文庫で読書を楽しむ子どももいる。小学校低学年の間は図書の時間が設けられるが、学年が上がるにつれて図書の時間がなくなることで図書室に行く回数が減ったり、ゲームなどへ興味が移ったりして、本を読まない傾向にあるという。
髙垣さんは下津図書館と旧児童図書館からそれぞれに本を取り寄せる時、司書同士で借りたい本が重なってしまうこともあったという。ノビノスと下津図書館、距離が離れていても両方が使いやすい環境が整えば、学校の図書環境もよりよくなると期待する。
子どもたちのノビノスの認知度は、「知ってる!」と答える子どもがいる一方で、まったく知らないという子どもも多い。学校で年間300冊ほどの読み聞かせを行う浦さんは「読み聞かせを通して子どもたちがもっと読みたくなった本をノビノスに借りに行き、本に触れるという流れが生まれたら」と話す。子どもに本へ興味を持ってもらうには、図書館など本に囲まれた環境でまず本に触れてみることが必要。読書以外の遊びもできるノビノスが、子どもにとって本に出会う入り口になればという。
ノビノス周辺の学校で司書業務をしている山口さんは、社会科見学や遠足をはじめ学校と施設としていろいろなことができる図書館の貸し出し以外の取り組みと、そして、双方の連携が互いの充実にもつながると考える。広い開架やホール、多機能性を生かしてどんなことができるのか、発展の可能性はこれからだ。