土砂崩れ相次ぐ 長引く大雨に各地で被害

和歌山県内は7日夜遅くから8日にかけ、梅雨前線や湿った空気の影響で非常に激しい雨が降り、道路の通行止めや列車の運休などが生じた。有田川町二澤地区では、土砂崩れで11世帯16人が孤立している(8日正午現在)。

県のまとめによると、1時間の最大雨量は、田辺市水上で62㍉、同市兵生で55㍉など非常に激しく降り、日高川町小川で3日の降り始めから8日午前8時までの累積雨量が1010㍉に達した。

道路の被害では紀美野町滝ノ川で落石、同町坂本で土砂崩れや倒木、同町毛原中で土砂崩れが発生し、いずれも町道が通行止めとなった。また、海南市下津町上の市道で路肩崩落、紀の川市粉河の小田井用水路でのり面が崩落するなどの被害が出た。

停電も一時発生し、紀美野町や九度山町など県内で約310軒が停電。貴志川や加茂川などの河川は水位が上昇し、氾濫警戒情報が出された。

和歌山市では伊太祁曽駅近くで冠水し、道路が一時通行止めとなった。

鉄道関係では、8日午前2時ごろ、JRきのくに線加茂郷駅設置の雨量計、5時15分ごろには箕島駅設置の雨量計が規制値に達したため、藤並駅と海南駅の間で一時速度を落として運転したが、10時45分に運転を再開した。上下線計14本が運休し、約5000人に影響した。和歌山線では、同日午前2時30分ごろに五条駅、2時55分ごろに橋本駅設置の雨量計が規制値に達し、同線は五条駅と粉河駅の間で始発から運転を見合わせた。