銀行のATMを分析 和大でデータ利活用発表

地域におけるAI人材の育成を目指す、和歌山大学開講授業「データ関連人材育成プログラム」の最終プレゼンテーションが9月29日、同大学学術情報センター(和歌山県和歌山市栄谷)で行われた。

2019年に同大学と紀陽情報システム㈱が締結した「データサイエンス分野における連携協力に関する協定」に基づく取り組みとして、同プログラムに必要なデータを㈱紀陽銀行(同市本町、松岡靖之頭取)が提供。

同大学の吉野孝教授が講師を務め、参加した大学院生と社会人合わせて12人が五つのグループに分かれて、9月24日から4日間かけて提供された19年と20年4~6月のデータを用いて分析し検証。「銀行のATM取引とキャッシュレスの動向における新型コロナの影響について」の分析テーマに基づき、各グループが10分の持ち時間で同行の担当者向けに分析結果を発表した。

設置場所や取引数、年代別や男女別などの要因を基に、分析した撤去済みATMの特徴から次に撤去されそうなATMの候補を探るなど、各グループは表や地図を使って独自のテーマでプレゼンテーションを実施。

社会人チームで参加した㈱サイバーリンクスの中谷裕介さんは「キャッシュレス時代にあわせたATM削減計画」と題しプレゼンを行った。キャッシュレス需要が進む地域のATMを削減して収益性を向上させるために政府発表のデータや独自で調べたデータを使って説明し、総合評価で1位に選ばれた。

同行経営企画部IT戦略室の吉田純也さんは「実務をしていると先入観で判断するので、行員では思い付かない思い切った視点で分析してくれたことが分かった」と話していた。プレゼン終了後には各グループに対して、同行担当者から講評があった。

データ分析の結果を発表する学生

データ分析の結果を発表する学生