和歌山市が嘆願書受理 子育て拠点削減で

和歌山県和歌山市は、2度にわたり受け取りを拒否してきた、同市の地域子育て支援拠点施設「ほっとルームぐるんぱ」(同市福島)の利用者らでつくる「ぐるんぱ存続を求める親の会」の嘆願書と署名を8日、受け取った。

嘆願書は、市が計画している子育て支援施設を減らすプロポーザル案について、再考と施設の存続などを求めるもので、同会のメンバーが約8000筆の署名を集めていた。

11月上旬、同会は市役所を訪れ、市民の声を尾花正啓市長に直接届けたいと訴えたが、協議の末、市長はプロポーザルを控えた時期に面会することは適切ではないと判断し、直接の受け取りを断っていた。担当部局の子育て支援課も、「プロポーザルを公正公平に実施するにあたり、特定の施設の存続を嘆願している内容でもあるので、受け取ることで、あらぬ疑念を抱かれかねない」とし、今月2日の再訪の際も受け取りを拒否。しかし、選定に関係する部局以外なら受け取りは可能ではないかとの市長の指示を受け、同日、市長公室が同会のメンバーから直接、嘆願書を受け取った。

メンバーらは、自分たちの施設さえ存続できればいいと思って活動してきたのではないと訴えた。松井友美子さん(45)は「拠点施設には、それぞれの良さがある。機械的に数を調整するプロポーザルの内容自体を再考してもらいたいと訴えてきたので、プロポーザル提出期限締め切り間際のこのタイミングで受け取ってもらっても」と複雑な心境を語った。

署名を手渡すメンバー㊧

署名を手渡すメンバー㊧