強化策の成果見せる 市高打線爆発に期待
19日開幕の第93回選抜高校野球大会に出場する市和歌山。プロ注目の好投手・小園健太(2年)を擁するチームは上位進出が期待される。大会で鍵を握りそうなのが打線の活躍だ。昨秋の近畿大会では思うように得点を重ねることができず、3試合で5得点にとどまった。打線で鍵となりそうな選手を紹介する。
近畿大会では、好機にあと1本が出ない展開が続いた。チームは今月6日に練習試合が解禁となって以降、秋とは異なる打順で戦っている。プロも注目する強打者の松川虎生(2年)を4番から3番に変え、秋は2番が多かった河渕巧(同)を1番で起用。2番には成長著しい大池悠太(1年)を抜擢し、秋は5番を務めた田中省吾(2年)が4番に座る。
チーム一の長打力を誇る松川の3番起用について、半田真一監督は「初回から相手に圧力をかけていきたい」と狙いを語る。立ち上がりから流れを引き寄せるつもりだ。
打線のキーマンになりそうなのが、1番の河渕だ。ミートがうまく、高校通算本塁打は14日現在で13本と長打力も秘める。50㍍を6秒0で走る脚力も武器。河渕本人は打席での姿勢について「追い込まれるまでは長打を狙い、追い込まれたらコンパクトなスイングを意識して、とにかく出塁しようと考えている」と話す。犠打のうまさは折り紙付きで、練習試合を含め試合で犠打の失敗をしたことがないという。俊足を生かし、「(自らも塁に生きる)セーフティーバントもどんどん狙っていきたい」と意気込む。
冬場は一球一球に集中して振り込み、間食におにぎりを食べて体づくりにも励んだ。「打球の飛距離が伸び、野手の間を抜けることも増えた。追い込まれてから簡単に三振しなくなった」と成長を語る。
半田監督は「1番打者の最初の打席は大事。どんな打撃をするかでチームの雰囲気も変わってくる」と話し、「うちが甲子園で勝った時は良い1番打者がいた」と振り返る。河渕も「チームに流れを持ってこられるようにしたい」と自覚は十分。大会に向け「7割以上の打率を残し、1個でも多く盗塁を決める。目標は日本一」と語る1番打者が市高打線に火をつける。