重症者増で入院調整が困難 病床逼迫が続く
和歌山県は22日、県内の10歳未満の小学生から80歳代の45人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されたと発表し、新たにクラスター(感染者集団)1件を認定した。入院中の患者は384人、うち重症者は54人、病床使用率は96・0%と、いずれも過去最悪を更新し、県福祉保健部の野㞍孝子技監は「これ以上医療関係者の負荷が増えると、本当に命が守れない」と述べ、改めて県民一人ひとりに感染予防の徹底を呼び掛けた。
45人のうちすでに感染が発表されている人の濃厚接触者は21人、新規は24人。保健所管内別の内訳は、和歌山市が27人、岩出が5人、海南と橋本が各3人、田辺が2人、湯浅が1人、県外が4人となっている。
新たに判明したクラスターは、和歌山市畑屋敷千体仏丁の「スナックゆき」。すでに発表済みの人を含め従業員2人、利用客4人の計6人の感染が判明し、45例目に認定された。
県は、9~21日に同店を訪れた人に、最寄りの保健所まで速やかに連絡するよう求めている。
発表済みの陽性者のうち新たに28人が変異株によるものと分かり、変異株の感染者は累計321人となった。
22日時点の直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が30・0人、和歌山市が40・2人でいずれも過去最多。岩出保健所管内も最多タイの30・1人となり、爆発的な感染拡大を示す「ステージ4」の目安25人を大きく上回っている。
病床の逼迫(ひっぱく)について野㞍技監は、現在の400床からさらに病床を増やすめどは立っているとしながらも、酸素投与が必要な重症者が増えていることで、より多くの看護師が必要となり、入院の受け入れ調整が非常に困難になっている現状を説明。医療関係者にこれ以上の負荷が掛かることに重大な危機感を示した。
また、すぐに受診せず、重症化する例も後を絶たないため、「症状が出たら、とにかく早く受診してもらいたい」と改めて呼び掛けた。